まとめ
解説
呼吸は、細胞内で酸素を利用して有機物(主にグルコース)を段階的に分解し、その過程で放出されるエネルギーをATP(アデノシン三リン酸)として蓄えるプロセスです。この反応は主に細胞小器官であるミトコンドリアで行われます。呼吸によって生じたATPは、物質の合成、筋肉の収縮、体温の維持など、あらゆる生命活動の原動力となります。
植物における呼吸は、光合成と対比して理解することが重要です。光合成が光エネルギーを利用して有機物を「合成」する同化作用であるのに対し、呼吸は有機物を「分解」してエネルギーを取り出す異化作用です。植物は日中、光合成と呼吸を同時に行っていますが、光が強い時間帯は光合成速度が呼吸速度を上回るため、外見上は二酸化炭素を吸収し酸素を放出しているように見えます。この光合成量と呼吸量が等しくなり、見かけ上の気体交換がゼロになる光の強さを「補償点」と呼びます。
| 項目 | 呼吸 | 光合成 |
|---|---|---|
| 目的 | エネルギー(ATP)の抽出 | 有機物(デンプン等)の合成 |
| 場所 | ミトコンドリア(全細胞) | 葉緑体(緑色の細胞) |
| 時間 | 24時間(絶えず行う) | 光があるときのみ |
| 気体の出入り | 酸素を吸収・二酸化炭素を放出 | 二酸化炭素を吸収・酸素を放出 |
呼吸の活性は生物の状態や環境条件によって大きく変動します。例えば、発芽中の種子は細胞分裂や成長のために極めて活発な呼吸を行っており、その際に発生する「呼吸熱」によって周囲の温度を上昇させることが実験で確認されています。また、試験対策としては「光合成量 = 見かけの光合成量 + 呼吸量」という関係式を把握しておくことが不可欠です。
動物の場合、肺などで行う「外呼吸(ガス交換)」と、細胞内で行う「内呼吸(細胞呼吸)」に分けられます。吸う息とはく息の成分を比較すると、はく息の方が酸素が少なく二酸化炭素が多くなっているのは、全身の細胞が呼吸によって酸素を消費し、二酸化炭素を排出した結果です。生態系全体で見ると、生産者(植物)、消費者(動物)、分解者(細菌・菌類)のすべてが呼吸を行うことで、炭素が二酸化炭素として大気中に循環する役割を担っています。
わたしたち人間や動物、そして植物も、生きていくためにはエネルギーが必要です。このエネルギーを作るための仕組みを「呼吸」といいます。
呼吸では、空気の中にある酸素を取り入れて、体の中にある栄養分を分解します。そのときに、生きるために必要なパワーが生まれます。それと同時に、いらなくなった二酸化炭素を体の外に出します。
植物は昼間に太陽の光を浴びて酸素を出しているイメージが強いですが、実は人間と同じように、1日中ずっと呼吸をして二酸化炭素も出しています。ただ、昼間は酸素を作る「光合成」のほうがさかんなので、二酸化炭素を出しているのが見えにくいだけなのです。
芽が出ようとしている種子は、とてもはげしく呼吸をしています。そのため、たくさんの種子をボトルに入れておくと、呼吸のときに出る熱でボトルの温度が上がることがあります。種子も一生懸命エネルギーを作って、大きくなろうとしているのですね。
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