- 葉緑体
- 植物の細胞内に存在し、光エネルギーを利用して二酸化炭素と水から有機物を合成する光合成の場となる細胞小器官
- 光エネルギーを吸収する色素「クロロフィル」を含み、植物に緑色を与える
- 独自のDNAを保持しており、かつて独立した細菌が細胞内に共生したという「細胞内共生説」の根拠となっている
- 光合成によって生成されたデンプンは、夜間にショ糖へ分解され、師管を通じて植物全体へ運ばれる
解説
葉緑体は、主に植物の葉の内部にある「さく状組織」や「海綿状組織」の細胞に多く含まれる、直径5〜10μm程度の粒状の構造体です。内部に含まれるクロロフィルが光エネルギーを吸収し、根から吸い上げた水と気孔から取り込んだ二酸化炭素を反応させることで、酸素とともにデンプンなどの養分を作り出します。
植物は葉緑体で行う「光合成」によってエネルギーを蓄える一方で、すべての細胞のミトコンドリアで「呼吸」を行い、生命活動に必要なエネルギーを取り出しています。これら2つの働きは、気体の出入りが逆になるため、対比して理解することが重要です。
| 項目 |
光合成 |
呼吸 |
| 場所 |
葉緑体 |
ミトコンドリア |
| 時間 |
光が当たっているとき |
24時間(常に) |
| 二酸化炭素 |
吸収する |
放出する |
| 酸素 |
放出する |
吸収する |
コラム
通常、植物の表面を保護する表皮細胞には葉緑体は含まれていませんが、気孔を形成する一対の「孔辺細胞」には例外的に葉緑体が存在します。この葉緑体が光合成を行うことで細胞内の濃度が変化し、気孔の開閉を調節して蒸散やガス交換を制御しています。
実験においては、日光に当てた葉をエタノールで脱色した後にヨウ素液に浸すと、葉緑体がある部分が青紫色に変化し、光合成が行われたことが確認できます。これは、日光、葉緑体、二酸化炭素の3つが揃うことでデンプンが作られることを示しています。また、光の強さと酸素の発生量の関係において、光合成速度と呼吸速度が等しくなる点を「補償点」と呼びます。