まとめ
- 物質が冷却されることによって、その体積が減少する現象。
- 加熱によって体積が増加する「膨張」の対照語であり、温度低下に伴う粒子運動の沈静化に起因する。
- 気体・液体・固体のいずれにおいても観察されるが、物質の種類や状態によってその変化率は大きく異なる。
解説
温度変化に伴う物質の体積変化は、物質を構成する原子や分子の熱運動の強弱によって決まります。物質を冷却すると、粒子の運動が穏やかになり、粒子同士が占める空間が狭くなるため、全体として体積が減少します。これが収縮のメカニズムです。
気体は温度変化による影響を最も受けやすく、一定の圧力下では温度が1℃下がるごとに、0℃のときの体積の273分の1ずつ減少します。例えば、0℃で546立方センチメートルの体積を持つ空気は、温度が1℃下がるごとに2立方センチメートルずつ収縮します。一方、金属などの固体は収縮率が極めて小さいため、実験ではレバーや針を用いた拡大装置を使用して変化を視覚化します。2種類の異なる金属を貼り合わせた「バイメタル」は、冷却時の収縮率の差によって一定方向に曲がる性質を持ち、サーモスタットなどの温度制御装置に応用されています。
物を冷やしたときに、その体積(かさ)が小さくなることを「収縮」といいます。温めると大きくなる「膨張」とは反対の意味の言葉です。
空気や水、鉄などの金属も、冷やすと小さくなります。特に空気は温度の変化に敏感で、冷やすと目に見えて体積が減ります。一方で、鉄などの金属は冷やしてもほんの少ししか小さくならないため、特別な道具を使わないと変化がわかりません。
ただし、水には不思議な性質があります。ふつうの物は冷やせば冷やすほど小さくなりますが、水は4度(℃)のときが一番小さく、それよりも冷やして氷になるときは、逆にふくらんで大きくなります。冬に水道管が破裂することがあるのは、中の水が氷になって大きくなるからです。
電柱の間に張られている電線は、わざと少しゆるませてあります。もしピンと張ってしまうと、冬に寒さで電線が「収縮」して短くなったとき、電線が切れたり電柱が倒れたりするおそれがあるからです。身近なところにも、収縮を考えた工夫が隠れているのですね。
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