まとめ
- 水溶液を加熱して溶媒を蒸発させ、溶けている固体の物質(溶質)を析出・回収するために用いられる陶磁器製の耐熱容器。
- 食塩のように温度による溶解度の変化が小さい物質を分離する「蒸発乾固」の操作において不可欠な器具である。
- 中和反応や金属の溶解実験において、反応後に残る固形物の質量を測定する際にも多用される。
解説
水溶液から溶質を取り出す手法は、物質の溶解度特性によって使い分けられます。ホウ酸や硝酸カリウムのように温度が下がると溶解度が急激に減少する物質は、冷却による「再結晶」が有効ですが、食塩(塩化ナトリウム)のように温度変化による溶解度の差がほとんどない物質は、蒸発皿で加熱して水分を飛ばす手法が適しています。
また、化学反応の量的関係を調べる実験でも重要な役割を果たします。例えば、塩酸と水酸化ナトリウム水溶液の中和反応では、反応後の液体を蒸発皿で加熱し、残った食塩の重さを測定することで、中和の割合や水溶液の濃度を算出します。同様に、塩酸とマグネシウムや亜鉛などの金属を反応させた後、蒸発皿を用いて水分を蒸発させることで、反応によって生じた物質(塩)を固体として取り出し、物質の過不足を確認することができます。
「蒸発皿」は、水の中に溶けているものを取り出すときに使う、白くて浅いお皿のことです。理科の実験で、食塩水から塩を取り出すときに使ったことがあるかもしれませんね。
使い方はとてもかんたんです。水溶液を蒸発皿に入れ、アルコールランプなどで熱して水分を飛ばします。すると、水だけがなくなって、中に溶けていたものが結晶(つぶ)となってお皿に残ります。
このお皿は「陶磁器」という、熱に強い特別な材料でできています。実験では、三脚や金網の上に乗せて使います。熱くなっているので、実験が終わったあともすぐにはさわらないように注意しましょう。
黒田チカさんという人を知っていますか?彼女は日本で初めての女性化学者です。植物の色素(色の成分)を研究して、世界的に有名な賞をもらいました。みなさんが理科室で使う道具は、昔の科学者たちも大切に使って、新しい発見をしてきたものなのです。
記事の内容に誤りがありますか?
⚠️ 修正を提案する