陰樹

一般小学生

まとめ

陰樹
光の弱い環境でも生育することができ、森林遷移の最終段階である極相において優占種となる樹木

解説

植物には、強い光を必要とする陽樹と、弱い光でも生育可能な陰樹が存在します。この性質の違いを決定づけるのが「光補償点」の低さです。光補償点とは、光合成による二酸化炭素吸収量と呼吸による放出量が等しくなり、見かけ上の光合成量がゼロになる光の強さを指します。陰樹は陽樹に比べてこの光補償点が低いため、他の樹木に覆われて光が遮られた林床のような暗い場所でも、有機物を蓄積して成長することができます。

森林の遷移過程においては、まず日当たりの良い場所で陽樹が成長して陽樹林を形成します。しかし、陽樹が大きく育つと林床が暗くなり、陽樹自身の幼木は光不足で育たなくなります。一方で、影に強い陰樹の幼木は暗い林床でも成長できるため、長い年月をかけて次第に陰樹が林の主役へと入れ替わっていきます。最終的に、その地域の気候条件において最も安定した状態である「極相林」へと到達します。

コラム

日本の代表的な陰樹には、暖温帯で見られるシイ・カシ類や、冷温帯で見られるブナなどがあります。これらは葉が厚く、光を効率よく吸収する構造を持っています。また、植物の成長は光の量だけでなく、個体間の密度にも影響を受けます。例えば、植物をこみ合って育てた場合、日光を奪い合うために草丈は伸びますが、茎の直径は細くなり、枝の本数も減少する傾向があります。森林内の樹木も同様に、限られた光資源をめぐって生存戦略を立てており、陰樹はその「影への強さ」を武器に最終的な勝者となるのです。

小学生のみなさんへ

森の中の、少し暗い場所でも元気に育つことができる木を「陰樹」と呼びます。ふつう、植物は太陽の光が大好きですが、陰樹は少ない光を効率よく使って成長できる特別な力を持っています。森が成長して大きな木がいっぱいになると、地面まで光が届かなくなりますが、そんな場所でも陰樹は育つことができ、やがて森の主役になります。代表的なものには、シイやカシなどの木があります。

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