まとめ
解説
植物群落が時間の経過とともに変化していく過程を「遷移(せんい)」と呼びます。裸地から始まった遷移は、草原、低木林、陽樹林を経て、最終的に日陰に強い樹木が中心となる森林へと至ります。この最終的な安定状態を「極相(クライマックス)」と呼び、その状態にある森林を極相林といいます。
極相林が成立するメカニズムは、林内の明るさの変化にあります。遷移の途中で形成される陽樹林では、成長した木々が日光を遮るため、林床(地面付近)が暗くなります。すると、強い光を必要とする陽樹の幼木は育つことができず、日陰でも成長できる陰樹の幼木だけが生き残ります。やがて寿命を迎えた陽樹が枯れると、代わって陰樹が大きく育ち、最終的には陰樹が優占する森になります。陰樹の森では、次世代も陰樹の幼木が育つため、樹種の構成が変化しにくくなるのです。
| 比較項目 | 陽樹林 | 陰樹林(極相林) |
|---|---|---|
| 主な樹種 | アカマツ、コナラなど | スダジイ、ブナなど |
| 林内の明るさ | 比較的明るい | 非常に暗い |
| 幼木の育ちやすさ | 陽樹・陰樹の両方 | 陰樹のみ |
| 安定性 | 変化の途中 | 長期間安定する |
森の木々は、長い年月をかけて少しずつ種類が入れかわっていきます。これを「遷移」といいます。最初は日当たりの良い場所が好きな木が集まりますが、木が大きく育って森が深くなると、地面に光が届かなくなって暗くなります。
すると、暗い場所では育てない木の子どもは枯れてしまい、暗い場所でも平気な木の子どもだけが育つようになります。こうして最後にたどりつく、メンバーがほとんど変わらなくなった安定した森のことを「極相林」と呼びます。
日本では、あたたかい場所では冬でも葉が緑色の「シイ」や「カシ」の森、少し寒い場所では「ブナ」の森などが、この「最後の森」の姿になります。
森の中で大きな木がたおれると、そこだけポッカリと穴があいたように光がさしこみます。これを「ギャップ」といいます。この光のおかげで、ふだんは暗くて育てない木の子どもたちが、チャンスとばかりに急いで成長を始めるんですよ。
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