まとめ
- 植物の細胞壁を構成する多糖類(セルロース等)の総称で、化学的に安定しており分解しにくい性質を持つ。
- 草食動物は、長い消化管や複数の胃、共生微生物を利用してこれを発酵・分解し、エネルギー源とする。
- 食性による消化器官の形態的差異(腸の長さや歯の形状)を決定づける主要な要因である。
解説
せんい質は、主にセルロース、ヘミセルロース、リグニンといった植物の細胞壁を形作る物質を指します。これらは化学的に非常に安定しており、多くの動物が自ら分泌する消化酵素だけでは分解することができません。そのため、植物を主食とする草食動物は、長い時間をかけてこれらを分解・吸収するための特殊な体の仕組みを発達させてきました。
例えば、草食動物は肉食動物に比べて非常に長い消化管を持っています。これは、消化しにくいせんい質を腸内に長時間とどめ、共生する微生物に発酵・分解させるためです。また、門歯で植物を切り取り、臼歯ですりつぶすといった、せんい質を効率よく摂取するための歯の構造も特徴的です。
植物の体を作っている、とてもじょうぶな成分のことを「せんい質」といいます。わたしたち人間やライオンのような肉食動物は、これをうまく消化することができません。でも、草を食べるウシやウマなどの草食動物は、このせんい質を栄養にするための特別な体を持っています。
草食動物の体の中で一番おどろくのは、おなかの長さです。植物は消化するのにとても時間がかかるため、草食動物の腸は肉食動物よりもずっと長くなっています。例えば、ウシの腸の長さは体の長さの20倍もあります。また、ウシには胃が4つもあり、一度食べた草を口にもどして何度もかみ直す「反芻」という仕組みで、かたいせんい質をバラバラに分解しているのです。また、草をすりつぶすための平らな「臼歯」という歯が発達しているのも特徴です。
ウサギも草食動物ですが、ウシのように胃が分かれているわけではありません。その代わりに、とても大きな「盲腸」を持っていて、そこで微生物の力を借りてせんい質を分解しています。動物によって、草を消化する工夫がちがうのはおもしろいですね。
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