まとめ
【定義】
植物の種子が休眠状態を打破し、代謝を開始して幼芽や幼根を形成するために最低限必要な「水」「適当な温度」「空気(酸素)」の3つの環境要因。
学習の要点
- 重要語句:吸水、酵素の活性化、細胞呼吸、胚・胚乳(子葉)
- 用語の意義:種子内部に蓄えられた養分をエネルギーに変換し、細胞分裂を誘発するための物理的・化学的なトリガー。
解説
植物が発芽するためには、「水」「適当な温度」「空気(酸素)」の3つの要素がすべて揃う必要がある。これらの要素は、種子内部の生理的な活動を再開させるために不可欠な役割を担っている。
まず「水」は、種子の外皮を軟化させ、内部の乾燥した細胞に浸透することで代謝系を始動させる。水が胚に吸収されると、ジベレリンなどの植物ホルモンが働き、胚乳や子葉に蓄えられた貯蔵物質(デンプンやタンパク質など)を分解する酵素が活性化される。
次に「適当な温度」は、酵素反応の速度を最適化するために必要である。植物の種類によって異なるが、一般的に酵素が効率よく働く15℃から30℃程度の温度帯が求められる。低温すぎれば反応が進まず、高温すぎれば酵素が変性して発芽能力を失う。
最後に「空気(酸素)」は、細胞呼吸を行うためのエネルギー源となる。種子は貯蔵養分を分解してエネルギーを取り出す際、酸素を消費して二酸化炭素を排出する。そのため、土壌の通気性が悪かったり、完全に水に浸かったりして酸素供給が遮断されると、発芽が抑制される。
なお、多くの種子にとって「日光」は発芽の絶対条件ではないが、一部の植物(好光性種子や嫌光性種子)においては、光が発芽を促進または抑制する補助的な要因として働くことがある。
補足
種子の中には、適切な環境が整っても一定期間の低温にさらされないと発芽しない「休眠」を持つものがある。これは、不適切な時期(冬など)に発芽して死滅するのを避けるための生存戦略である。
参照: 学習指導要領準拠資料
小学生のみなさんへ
植物の種が芽を出すことを「発芽(はつが)」といいます。発芽するためには、3つの大切な条件がそろわなければなりません。
1つ目は「水」です。種が水を吸うことで、芽を出すための準備が始まります。
2つ目は「空気(酸素)」です。植物も人間と同じように、芽を出すためのエネルギーを作るために、空気を取りこんで呼吸をしています。
3つ目は「適当な温度」です。種が活動しやすい、ちょうどよい温かさが必要です。種類によって違いますが、春の気温くらいの温かさがひつようなものが多いです。
この「水・空気・適当な温度」のどれか1つでも欠けると、芽は出てきません。よくまちがえやすいのが「日光」と「肥料(土)」です。これらは芽が出たあと、植物が大きく育つときには必要ですが、芽を出すときには必ずしも必要ではありません。暗い場所や、脱脂綿(綿)の上でも、3つの条件さえそろえば芽は出てきます。
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