まとめ
- 太陽放射によって加熱された地表面が、吸収したエネルギーを電磁波(主に赤外線)として再び大気中へ放出する熱のこと。
- 大気が太陽光で直接温められるのではなく、まず地面が温まり、その熱が伝導や対流によって空気を温める仕組みの根幹を成す。
- 地温や気温の日変化において、太陽高度のピークと温度のピークにタイムラグが生じる最大の要因である。
解説
地球の大気は、太陽から届く短い波長のエネルギー(太陽放射)をほとんど吸収せず透過させる性質を持っています。そのため、太陽光はまず地表面を加熱します。加熱された地表面は、自身の温度に応じた長い波長のエネルギー(長波放射)を赤外線として放出します。これが「地面からの放射熱(地球放射)」です。
大気中に含まれる水蒸気や二酸化炭素などは、この赤外線を吸収しやすい性質があるため、地面に近い空気から順に温まっていきます。太陽高度が最も高くなるのは正午ですが、地温のピークは13時ごろ、気温のピークは14時ごろとズレが生じます。これは、太陽から受ける熱量と地面から放出される放射熱のバランスが関係しています。
具体的には、日の出から13時ごろまでは「太陽から受ける熱 > 地面から出す熱」の状態であるため地温が上昇し続けます。13時ごろに両者が等しくなり地温が最大となります。その後、13時から翌日の日の出までは「太陽から受ける熱 < 地面から出す熱」となり、地温は下がり続けます。気温はこの地温の変化を追いかけるように変化するため、さらに1時間ほど遅れてピークを迎えるのです。
太陽の光は、空気を直接温めるのではなく、まず地面を温めます。温まった地面は、蓄えた熱を空気に向かって出します。これが「地面からの放射熱」です。
地面が温まってから空気が温まるまでには少し時間がかかります。そのため、一日のうちで一番気温が高くなるのは、太陽が一番高いところに来るお昼の12時ではなく、午後2時ごろになります。太陽の熱で地面が温まり、その地面の熱が空気に伝わることで、ようやく気温が上がるからです。
夜になると太陽の光がなくなりますが、地面は熱を出し続けるので、地面も空気もどんどん冷えていきます。特に雲がない夜は、熱がどんどん空の高いところへ逃げてしまうので、朝方にとても寒くなります。これを「放射冷却」と呼びます。
砂漠では昼間はとても暑いのに、夜になると氷が張るほど冷え込むことがあります。これは、地面の熱を逃がさないようにする「雲(水蒸気)」がほとんどないため、地面からの放射熱がどんどん宇宙へ逃げていってしまうからなのです。
記事の内容に誤りがありますか?
⚠️ 修正を提案する