まとめ
- 熱が物質を媒介することなく、電磁波(赤外線など)として高温の物体から直接、離れた場所にある低温の物体へ伝わる現象。
- 「熱放射」や「輻射(ふくしゃ)」とも呼ばれ、熱伝導・対流とは異なり、真空の状態でも熱を伝えることができる。
- 太陽エネルギーが地球に到達する際の主要な形態であり、地温や気温の変化に決定的な影響を与える。
解説
熱の移動には、物質内を振動が伝わる「熱伝導」、流体が移動して熱を運ぶ「対流」、そして物質を介さない「放射」の3つの形態があります。放射は、物体がその温度に応じた電磁波を放出することでエネルギーを運ぶ仕組みです。例えば、焚き火のそばにいると顔が熱く感じるのは、空気の対流だけでなく、火から直接放射される赤外線を皮膚が吸収しているためです。
地球規模の現象で見ると、太陽からの放射熱が地表に吸収されることでまず地温が上昇します。その後、温められた地面から再び放射(地球放射)が行われ、その熱が空気を温めることで気温が上昇します。太陽の南中高度が最も高くなる時刻と、地温や気温がピークに達する時刻にタイムラグが生じるのは、この熱の移動と蓄積に時間を要するためです。また、放射による熱の出入りは、夜間の放射冷却現象など、気象の変化を理解する上でも極めて重要な概念となります。
太陽の光をあびると、体がポカポカとあたたかくなりますね。これは、太陽から熱が直接とどいているからです。このように、熱が空気などの間にあるものをとおさずに、光のように直接伝わることを「放射(ほうしゃ)」といいます。
熱の伝わり方には、ほかにも「伝導(でんどう)」や「対流(たいりゅう)」がありますが、放射はまわりに何もない真空の状態でも熱を伝えることができるのがとくちょうです。太陽の熱が宇宙をとおって地球にとどくのは、この放射のおかげなのです。
また、地面も太陽にあたためられると、熱を外に出します。これを「地面からの放射」とよびます。昼間に地面があたたまり、その熱が空気に伝わることで、わたしたちのまわりの気温が上がっていきます。太陽が一番高くなるお昼の12時よりも、気温が上がるのが少しおそくなるのは、地面があたたまるまでに時間がかかるからなのです。
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