蒸散

一般小学生

まとめ

【定義】
蒸散とは、植物体内の水分が気孔から水蒸気となって外部へ放出される現象である。吸水を助けるための吸引力を生み出すとともに、気化熱によって植物の体温を調節する重要な役割を果たす。

まとめ

蒸散は、植物の生命活動における吸水・運搬・温度調節の原動力である。葉の気孔における開閉制御や、効率的な受光を可能にする葉序など、植物は環境に適応した精緻な仕組みを備えている。

解説

葉には光合成・蒸散・呼吸という3つの主要な役割がある。蒸散は主に葉の裏側に多く存在する「気孔」を通じて行われ、これを取り囲む「孔辺細胞」の水分量(膨圧)の変化によってその開閉が制御される。これにより、光合成に必要な二酸化炭素の取り込みと、過剰な水分放出の抑制が管理されている。植物全体の物質循環という点では、根が根毛によって表面積を増やし効率よく吸水し、茎の維管束(道管・師管)が通路となって運搬を行うが、蒸散はこの道管内の水を上方へ引き上げる負圧を生み出す。また、日光を効率的に受けるために規則正しい葉のつき方(葉序)が備わっている。主なものに、1節に1枚つく「互生」、2枚が向かい合う「対生」、3枚以上が輪になる「輪生」がある。バラの仲間の葉に見られる「2/5葉序(茎を2周する間に5枚の葉がつく)」といった幾何学的な配置も、受光効率を高めるための特徴である。さらに、タマネギの鱗片葉、エンドウの巻きひげ、サボテンの棘など、環境に合わせて葉の形態を多様に変化させている点も植物の重要な適応戦略である。

小学生のみなさんへ

植物が体の中にある水を、目に見えない「水蒸気」として外に出すことを「蒸散(じょうさん)」といいます。

植物は、根から吸い上げた水を体全体に運ぶために、葉にある小さな穴(気孔といいます)から水を外に逃がしています。これによって、新しい水を根から吸い上げることができるようになります。人間が暑いときに汗をかくのと同じように、自分の温度が上がりすぎないように調節する役割もあります。

蒸散がどこで行われているかを調べる実験では、葉の表や裏に「ワセリン」という油をぬって、わざと穴をふさぐ方法があります。ワセリンをぬった場所からは水が出られなくなるので、水が減った量を比べることで、葉の表と裏のどちらからたくさん水が出ているかを計算で求めることができます。

また、「塩化(えんか)コバルト紙」という特別な紙を使うと、蒸散を色で確かめることができます。この紙はかわいているときは「青色」ですが、植物から出た水にふれると「赤色」に変わります。葉の裏側の方が早く赤くなることが多いため、裏側に水の出口がたくさんあることがわかります。

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