- 十二指腸
- 胃の幽門に続き空腸へと至る小腸の最初の部位で、胆汁や膵液を混合して食物の中和と化学的消化を行う器官
解説
十二指腸は、消化管の中で胃と小腸(空腸)を連結する重要な器官です。全長は約25〜30cmで、その名称は指を12本横に並べた幅に相当するという解剖学的な由来に基づいています。形状は「C字型」に湾曲しており、その凹部分には膵臓の頭部がはまり込むように位置しています。
最大の機能的特徴は、消化の要所としての役割です。胃から送られてくる食塊は非常に強い酸性(胃酸)を帯びていますが、十二指腸で膵臓からの膵液に含まれる重炭酸イオンと混ざることで中和されます。これにより、小腸内の消化酵素が最適に働く環境が整えられます。
コラム
十二指腸の下降脚の内側には「大十二指腸乳頭(ファーター乳頭)」と呼ばれる開口部があり、ここから胆管と膵管が合流して消化液を排出します。肝臓で作られた胆汁は脂肪の乳化を助け、膵液は糖質・脂質・タンパク質のすべてを分解する強力な酵素を含んでいます。
また、十二指腸は自らも「腸液」を分泌し、粘膜を保護しています。ストレスや胃酸過多によってこの防御機能と攻撃機能のバランスが崩れると、十二指腸潰瘍が発生しやすくなることが知られています。