まとめ
- 樹木が冬季の低温や乾燥から内部組織を保護し、翌春に速やかに成長を再開するために形成する未発達の芽。
- 夏から秋にかけて形成され、内部には春に展開する予定の葉(葉芽)や花(花芽)の原基が収められている。
- 日照時間の変化(日長)や気温の低下を感知して形成される、植物における季節適応の代表的な形態である。
解説
多くの温帯・亜寒帯の樹木は、秋になると成長を停止し、厳しい冬を越すための冬芽を形成します。冬芽は乾燥や寒冷から身を守るため、芽鱗(がりん)と呼ばれる硬い鱗片で覆われる「鱗芽(りんが)」であることが一般的ですが、ミズキやムラサキシキブのように芽鱗を持たない「裸芽(らが)」も存在します。
これらの形成には、日照時間の変化(日長条件)が大きく関与しています。植物が季節を感知する生理機能は、長日植物や短日植物における花芽形成のメカニズムと同様であり、秋の訪れとともに気温の低下や日長の短縮をトリガーとして、休眠状態へと移行します。これは動物の冬眠や渡りと同じく、生物が生存率を高めるための生存戦略の一環です。
冬の寒い間、公園や森の木をよく見てみると、枝の先に小さくてかたい「芽」がついているのを見つけることができます。これが「冬芽(ふゆめ)」です。
冬芽は、春になってから新しい葉っぱや花を出すための大切な準備です。中には、春に咲く花の赤ちゃんや、新しい葉っぱが小さくたたまれて入っています。木は夏から秋にかけて、この冬芽を少しずつ作って冬にそなえます。
冬の冷たい風や乾燥から中身を守るために、多くの冬芽は「芽鱗」という、うろこのようなかたい皮でしっかりと包まれています。まるで、植物が冬用のコートを着ているみたいですね。このおかげで、氷点下になるような寒い日でも、中の大切な組織が凍らずに春を待つことができるのです。
冬芽の形は木の種類によって全然違います。例えば、コクサギという木は「お猿さんの顔」のような形に見えることがあります。これは葉っぱが落ちたあとの跡(葉痕)と冬芽が組み合わさって見えるもので、冬の公園で「顔」に見える冬芽を探してみるのも楽しいですよ。
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