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王水

王水

出典: Wikipedia
一般小学生

まとめ

解説

金属には、水や酸との反応のしやすさを示す「イオン化傾向」があります。カリウムマグネシウムなどのイオン化傾向が大きい金属は、希塩酸などと容易に反応して水素発生しながら溶解します。しかし、金や白金はイオン化傾向が極めて小さいため、単独の酸では酸化させることができず、通常は溶けることがありません。

王水が金を溶かせる理由は、濃硝酸の強力な酸化力と、濃塩酸から供給される大量の塩化物イオンの相乗効果にあります。まず濃硝酸によって金がわずかに酸化されて金イオン(Au³⁺)になり、それがすぐに塩化物イオンと結合して非常に安定な「テトラクロリド金(III)酸イオン」という錯イオンを形成します。この反応が連続して起こることで、金は次々と液体の中に溶け出していくのです。

また、金属と薬品反応速度は、水溶液温度濃度、および金属の表面積に依存します。王水を用いる際も、これらの条件を調整することで反応の効率を制御することが可能です。金属は共通して光沢や導電性を持ちますが、王水に対する反応性の違いは、金属の種類を識別する重要な化学的指標の一つとなります。

コラム

王水は時間の経過とともに分解が進み、塩化ニトロシル(NOCl)や塩素(Cl₂)を発生して反応力が低下するため、使用する直前に調製(用時調製)するのが原則です。

なお、銀(Ag)も王水と反応はしますが、表面に不溶性の塩化銀(AgCl)の膜ができてしまうため、内部まで完全に溶かすことは困難です。このように、金属の種類によって薬品との相性が異なる点も化学の興味深いポイントです。

小学生のみなさんへ

ふつう、鉄などの金属は酸性の液体に入れると溶けますが、金や白金はっきん(プラチナ)はとても強いため、ふつうの酸には溶けません。しかし、この「王水おうすい」という特別な液体を使うと、世界で一番強い金属である金さえも溶解ようかいさせることができます。

王水は、「濃塩酸のうえんさん」と「濃硝酸のうしょうさん」という2種類の強い薬品を、3対1の割合で混ぜて作ります。混ぜるとすぐに橙赤色とうせきしょく(だいだい色に近い赤色)になり、とても強力な酸化作用さんかさようを持つようになります。

金属が溶ける速さは、液体の温度を上げたり、濃度を濃くしたり、金属を細かくして表面積を増やしたりすることで速くなります。王水はとても危険な薬品なので、専門の工場や研究所などで、特別な目的のために使われています。

ルラスタコラム

王水は英語で「Aqua Regia(アクア・レギア)」と呼ばれます。これはラテン語で「王の液体」という意味です。どんな酸にも負けない「金属の王様」である金を溶かしてしまうことから、このかっこいい名前がついたといわれています。

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