火砕流とは、火山の噴火によって放出された高温の火山灰、岩石(軽石)、火山ガスなどが一体となり、重力に従って山の斜面を極めて高速で流下する現象です。温度は数百℃から1000℃に達し、時速100kmを超える速度で移動するため、火山災害の中でも最も破壊的で警戒が必要な現象の一つとされています。
解説
火砕流の発生メカニズムには、主に「噴煙柱崩壊型」と「溶岩ドーム崩落型」の2種類があります。前者は、空高く吹き上がった噴煙が自重に耐えきれず崩れ落ちることで発生し、大規模なものになりやすい特徴があります。後者は、粘り気の強いマグマが山頂付近で盛り上がってできた「溶岩ドーム」が、地震や自重によって崩れることで発生します。
1991年の長崎県・雲仙普賢岳の噴火では、この溶岩ドーム崩落型の火砕流が頻発し、甚大な被害をもたらしました。火砕流は地形の凹凸を埋めながら広範囲に広がるため、発生を確認してから避難を開始しても回避が困難です。そのため、ハザードマップによる事前の危険区域の把握と、早期の避難体制の構築が極めて重要となります。