まとめ
【定義】
物質が燃焼する際、供給される酸素が不足しているために、酸化反応が完全に行われない現象を指す。この過程で一酸化炭素(CO)や煤(炭素)が発生するのが特徴である。
学習の要点
- 重要語句:一酸化炭素、酸素濃度、空気の組成、ガスボンベの識別
- 用語の意義:燃焼条件と生成物の関係を理解し、一酸化炭素中毒などの安全管理や環境影響を把握する。
解説
燃焼とは物質が酸素と激しく反応して熱や光を出す現象であるが、その継続には十分な酸素の供給が不可欠である。空気は、ちっ素(約78.08%)、酸素(約20.95%)、アルゴン(約0.93%)などの多種多様な成分で構成されている。燃焼時に酸素供給が不十分になると、本来生成されるべき二酸化炭素(CO2)ではなく、不完全燃焼産物として毒性の強い一酸化炭素が発生する。
一酸化炭素は無色・無臭の気体であり、人体に取り込まれると血液中のヘモグロビンと強く結合し、酸素の運搬を阻害するため、少量でも中毒を引き起こす極めて危険な物質である。また、気体にはそれぞれ固有の性質があり、例えばメタンは温室効果ガスとしての側面を持ち、ちっ素化合物は酸性雨の原因物質となるなど、環境への影響も大きい。
産業現場や実験室では、これらの気体を安全に管理するため、高圧ガスボンベの塗装色が法令等で定められている。主な識別色として、酸素は黒色、水素は赤色、液化アンモニアは白色、液化塩素は黄色、液化炭酸ガスは緑色と、気体の種類ごとに明確に区分されている。
補足
完全燃焼では炭素(C)はすべて二酸化炭素(CO2)になるが、不完全燃焼では一酸化炭素(CO)が発生する。一酸化炭素のヘモグロビンに対する結合力は酸素の200〜300倍と言われており、極めて低い濃度でも酸素欠乏状態を招く。
参照: 学習指導要領準拠資料
小学生のみなさんへ
物が燃えるためには「酸素(さんそ)」という空気の成分が必要です。しかし、窓を閉めきった部屋で火を使ったり、空気が足りない状態で物を燃やしたりすると、「不完全燃焼(ふかんぜんねんしょう)」という現象が起こります。
不完全燃焼が起こると、「一酸化炭素(いっさんかたんそ)」という毒のあるガスが発生します。このガスは、色もにおいもないため気づきにくいうえに、吸い込むと体が動かなくなったり、命に関わったりすることもある、とてもおそろしいものです。
私たちのまわりの空気は、約78%の「ちっ素」や、約21%の「酸素」などでできています。また、理科の実験などで使うガスの入れ物(ボンベ)は、中身をまちがえないように色が決められています。例えば、酸素は黒色、水素(すいそ)は赤色、二酸化炭素は緑色のボンベに入っています。火を使うときは、いつもきれいな空気が入れかわるように注意しましょう。
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