まとめ
【定義】
生命が誕生する前の原始の海において、有機物などの多様な化学物質が蓄積し、生命の起源となる反応が起こりやすい状態を指す比喩的表現。
学習の要点
- 重要語句:原始の海、化学進化、直立二足歩行、脳容量、中生代・新生代の変遷
- 用語の意義:無機物から有機物が合成され、生命へと至る「化学進化」のプロセスを象徴する概念である。
解説
地球の歴史において、中生代の恐竜絶滅を経て新生代に入ると、哺乳類が急速に繁栄を遂げた。この流れの中で出現した人類は、直立二足歩行を行うことで脳の大型化を促し、アフリカを起点として世界各地へと拡散した。
人類の進化過程における脳容量の推移をみると、類人猿の約400cm³に対し、猿人(アウストラロピテクス等)は約460cm³、原人(ホモ・エレクトス等)は約1000cm³、旧人(ネアンデルタール人等)は約1500cm³、そして現代の新人(ホモ・サピエンス)は約1400cm³と変化してきたことが確認されている。
これら全ての生命の起源を辿ると、生命誕生前の「物質のスープ」のような状態の海に行き着く。当時の原始海洋には、メタン(CH₄)やシアン化水素(HCN)といった分子が含まれており、これらが雷の放電や紫外線などのエネルギーによって複雑な有機物へと変化し、最初の生命へと繋がったと考えられている。
補足
この概念は、ソ連の生化学者アレクサンドル・オパーリンが提唱した「生命の起源」に関する仮説に基づいている。彼は、原始地球の大気成分が反応して有機物が蓄積し、それが海に溶け込んでスープのような状態になったと考えた。
参照: 学習指導要領準拠資料
小学生のみなさんへ
「物質(ぶっしつ)のスープ」というのは、大昔、まだ地球に生きものが生まれる前の海の状態をあらわした言葉です。
今の海とはちがい、大昔の海には生きものの材料になるたくさんの成分が、まるでスープのようにとけこんでいました。そこから最初の生きものが生まれたと考えられています。
地球の歴史では、恐竜(きょうりゅう)がいなくなったあと、わたしたち人間などの「ほ乳類」がさかんになりました。人間の祖先は、アフリカから世界中へ広がっていき、二本足で歩くことで脳(のう)がだんだん大きくなっていきました。
みなさんも、この広い海に浮かんでいた小さなスープの材料から、長い時間をかけて人間へと進化してきたのです。
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