自然エネルギーとは、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスといった、自然界に存在する循環的なプロセスから得られ、永続的に利用可能なエネルギーの総称です。化石燃料と異なり、利用しても資源が枯渇せず、発電時に温室効果ガスである二酸化炭素をほとんど排出しないことから、地球温暖化対策の切り札として「再生可能エネルギー」とも呼ばれます。
解説
日本のエネルギー供給構造は、2011年の東日本大震災を境に大きく変化しました。震災以前は一定の割合を占めていた原子力発電が、事故後の安全基準の見直しなどにより大幅に停止したため、その不足分を補う形で火力発電(液化天然ガス:LNGや石炭、原油など)への依存度が一時的に急増しました。
しかし、火力発電は燃料の多くを海外からの輸入に頼っているため、国際情勢によって電気料金が左右されやすく、エネルギー自給率の低下も課題となっています。そこで、日本の豊かな自然環境を活かした自然エネルギーの導入が加速しています。例えば、内陸部の急峻な地形を利用した水力発電や、海岸線や高台での風力発電、火山大国としての地熱発電などが挙げられます。特に地熱発電は、天候に左右されず安定した電力を供給できる「ベースロード電源」としての期待が集まっています。
コラム
自然エネルギーの普及には、コスト面や発電量の不安定さといった課題もあります。太陽光や風力は天候や時間帯によって出力が変動するため、蓄電池の活用や、全国的な送電網の整備が不可欠です。また、バイオマス発電は、木くずや家畜の糞尿などの生物資源を燃料とするもので、廃棄物の削減にもつながります。
日本各地には、石狩川や吉野川、淀川といった豊かな水系があり、古くから小規模な水力発電も行われてきました。これら地域の特性に合わせた多様な自然エネルギーを組み合わせることで、環境負荷を抑えつつ安定したエネルギー社会を築く「エネルギー・ミックス」の実現が求められています。