- 石油を精製して得られるナフサを原料に、プラスチックや合成ゴム、合成繊維などの基礎原料を生産する工場群のこと。
- 生産効率を高めるため、関連する複数の工場がパイプラインで結ばれ、原料やエネルギーを相互に供給し合う仕組みを持つ。
- 原料となる原油の輸入に依存する日本では、大型タンカーが接岸できる千葉県市原市や三重県四日市市などの臨海部に立地するのが一般的である。
解説
石油化学コンビナートは、石油精製工場を中心に、そこから生み出される中間製品を加工する化学工場が密接に連携した巨大な生産拠点です。具体的には、原油を蒸留して得られる「ナフサ(粗製ガソリン)」を分解し、エチレンやプロピレンといった化学工業の基礎となる物質を取り出します。これらをさらに別の工場へ送り、プラスチックや塗料、合成洗剤などの製品へと加工していきます。
日本における立地の特徴は、そのほとんどが太平洋ベルトなどの臨海部に位置している点です。これは、原油の約9割を西アジアからの輸入に頼っているため、輸送コストを抑えるために大型船が直接入港できる港湾設備が必要だからです。神奈川県の川崎(京浜工業地帯)、三重県の四日市(中京工業地帯)、岡山県の水島(瀬戸内工業地域)、千葉県の市原(京葉工業地域)などが代表的な拠点として知られています。
コラム
コンビナートは高度経済成長期に日本の産業を支える柱となりましたが、一方でかつては四日市ぜんそくなどの公害問題を引き起こした歴史もあります。現在は厳しい環境基準のもとで運営されていますが、東日本大震災の際に見られたような大規模な火災や、埋め立て地特有の液状化現象による被害が懸念されるため、防災対策が極めて重要視されています。
また、近年の脱炭素社会への転換に伴い、従来の石油依存から脱却する動きも見られます。植物由来のバイオ燃料の活用や、水素エネルギーの供給拠点としての再開発など、次世代型のコンビナートへの変革が進められています。