まとめ
解説
物質の状態は、温度だけでなく周囲の圧力によっても変化します。状態図は、ある温度と圧力において物質が「固体」「液体」「気体」のどの相をとるかを示した地図のようなものです。図中の曲線は「相平衡曲線」と呼ばれ、2つの相が共存している状態を表します。
代表的な境界線と状態の関係は以下の通りです。
| 境界線の名称 | 共存する相 | 現象の名称 |
|---|---|---|
| 蒸気圧曲線 | 液体と気体 | 蒸発・凝縮 |
| 融解曲線 | 固体と液体 | 融解・凝固 |
| 昇華曲線 | 固体と気体 | 昇華 |
これらの3つの曲線が交わる点は「三重点」と呼ばれ、固体・液体・気体の3つの相が同時に存在できる唯一の条件です。また、蒸気圧曲線の高温・高圧側の終点である「臨界点」を超えると、液体と気体の区別がつかない「超臨界流体」という特殊な状態になります。
水の状態図には、他の物質には見られない大きな特徴があります。それは、融解曲線が左上(負の傾き)を向いている点です。これは、圧力をかけると氷の融点が下がることを意味しており、スケート靴の刃で氷が溶ける現象などに関係しています。
また、物質の状態変化には熱の出入りが伴います。例えば、0度の氷1gを水にするには約80カロリー(融解熱)、100度の水1gを水蒸気にするには約540カロリー(蒸発熱)が必要です。気圧が低くなると沸点が下がるため、標高の高い山の上では水が100度未満で沸騰し、カップ麺がうまく作れないといった現象も状態図から説明できます。冬の池で水面から氷が張るのも、水の密度が4度で最大になるという特異な性質と状態図上の挙動が組み合わさった結果です。
水などの物質は、まわりの温度や、空気がおしつける力(圧力)によって、氷・水・湯気のどれになるかが決まります。これをわかりやすく図にしたものが「状態図」です。
ふだん、水は100度でわきますが、高い山の上など空気がうすい場所では、100度になる前にわいてしまいます。これは、空気がおしつける力が弱くなるからです。このように、温度だけでなく「おしつける力」もいっしょに考えるのが、この図のポイントです。
氷は水にうきますよね。ふつう、物質は液体よりも固体のほうが重くなる(ぎゅっとつまる)のですが、水はぎゃくで、氷になると少しふくらんで軽くなるという、めずらしい性質をもっています。だから、冬の池でも氷が上にういて、下のほうにいる魚たちはこおらずにすごせるのです。
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