- そで群落
- 森林の縁(林縁)において、低木からなるマントル群落の外側に発達する、ススキやヨモギなどの高茎草本によって構成される植物群落
解説
森林の周囲には、外部環境の変化から内部を保護するための緩衝帯が存在します。森林内部から外側に向かって、高木層、低木層(マントル群落)、そして草本層である「そで群落」という階層的な構造が見られるのが一般的です。この名称は、着物の「袖」のように森林の裾野に広がる様子に由来しています。
そで群落は、主にススキ、ヨモギ、ハギ、クズなどの陽生植物で構成されます。これらの植物は強い光を好む性質があり、森林の境界部という明るい環境に適応しています。この群落は、森林内部への強い日差しや乾燥した風の侵入を物理的に遮断し、森の中の湿度や温度を一定に保つ重要な役割を担っています。
コラム
生態学的には、森林と草原という異なる環境が接する「移行帯(エコトーン)」の一部として位置づけられます。そで群落があることで、草原性の昆虫や小動物、さらにはそれらを餌とする鳥類などが集まりやすくなり、生物多様性が非常に高い場所となります。
近年では、里山の管理放棄や開発によって、このような自然な林縁構造が失われつつあります。そで群落が消失すると、森林内部に直接外気が入り込み、乾燥に弱い植物が枯れるなど、森林全体の生態系バランスが崩れる原因にもなります。