まとめ
解説
膨張とは、物質を構成する原子や分子の運動が激しくなることで、粒子間の距離が広がり、結果として物体全体の体積が大きくなる現象を指します。一般に、物質は温度が上がると熱膨張を起こします。この性質を利用した代表的な道具が温度計です。アルコール温度計などは、液体の熱膨張による体積変化を細い管の中で可視化しています。正確な測定のためには、液面の凹んだ部分(メニスカス)を真横から見て、最小目盛りの10分の1まで目分量で読み取ることが基本です。
物質の状態によって膨張の度合いは異なります。以下の表は、固体、液体、気体の膨張のしやすさを比較したものです。
| 状態 | 膨張のしやすさ | 主な理由 |
|---|---|---|
| 気体 | 非常に大きい | 粒子間の結合がほとんどなく、自由に動けるため |
| 液体 | 中程度 | 粒子が比較的自由に動けるが、一定のまとまりがあるため |
| 固体 | 小さい | 粒子が強い力で結びついており、振動の幅が限られるため |
また、膨張は熱だけでなく圧力の変化によっても起こります。例えば、標高の高い場所では周囲の気圧が下がるため、密閉された袋の中の空気が外側へ押し広げられ、袋が膨らむ現象が見られます。これと同様に、高い山の頂上でご飯を炊くと、気圧が低いため沸点が下がり、芯が残るなどの影響が出ます。
熱膨張には物質ごとの特性があります。例えば、丸底フラスコに水を入れて急激に熱湯に浸すと、水面が一瞬下がってから上昇します。これは、中の水が温まって膨張するよりも先に、容器であるガラスが熱を受けて膨張し、容器の容積がわずかに増えるために起こる現象です。
また、気体の膨張については「シャルルの法則」が知られています。0℃で546立方センチメートルの空気があるとき、温度が1℃上がるごとに体積は約2立方センチメートルずつ増加します。計算上、27℃まで温度を上げると、体積は54立方センチメートル増加して合計600立方センチメートルになります。なお、膨張によって体積が増えると、質量が変わらない限り密度は小さくなります。例えば、96gで96立方センチメートルの水(密度1.0g/立方センチメートル)を加熱して体積が100立方センチメートルに増えた場合、密度は0.96g/立方センチメートルに減少します。
物(もの)を温(あたた)めると、その大きさがふくらんで大きくなることがあります。これを「膨張」といいます。空気や水、鉄などの金属も、温めると大きくなります。
一番大きくふくらむのは空気です。次に水などの液体、その次が金属です。例えば、線路(せんろ)のつなぎ目にすき間があるのは、夏に太陽で熱くなった鉄がのびて、線路が曲がってしまうのを防ぐためです。身の回りには、この「ふくらむ性質」を考えた工夫がたくさんあります。
山の上でポテトチップスの袋がパンパンにふくらんでいるのを見たことはありませんか?これは、山の上は空気がうすくて、袋を外からおさえる力が弱くなるため、中の空気がいきおいよく広がろうとするからです。熱だけでなく、まわりの空気の力(気圧)が変わることでも膨張は起こるのですね。
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