まとめ
- 物質が熱を得ることで、質量を変えずに体積が増加する物理現象です。
- 温度上昇により粒子の運動が活発化し、密度が低下することで対流が生じる要因となります。
- 気体、液体、固体のいずれにおいても発生し、特に気体は温度変化に対して顕著に反応します。
解説
物質を加熱すると、その物質を構成する粒子(原子や分子)の熱運動が激しくなり、粒子同士の間隔が広がります。この結果、物質全体の質量は一定のまま、占める空間である「体積」が増大します。これを膨張と呼びます。例えば、0℃で546立方センチメートルの体積を持つ空気は、温度が1℃上がるごとに2立方センチメートルずつ増加する性質があり、27℃では600立方センチメートルにまで達します。
膨張は密度の変化を伴います。体積が増える一方で質量が変わらないため、単位体積あたりの重さである密度は小さくなります。この密度の差によって、温められた部分は周囲より軽くなって上昇し、冷たい部分が下降する「対流」が発生します。また、水が沸騰して水蒸気に変わる際のような状態変化を伴う膨張は極めて劇的であり、体積が約1700倍にも膨れ上がるエネルギーは、間欠泉や蒸気機関の動力源としても利用されます。
空気や水、鉄などの物をあたためると、重さは変わらないのに、かさ(体積)だけが大きくなることがあります。これを「膨張」といいます。
たとえば、空気を入れた袋をあたためると、中の空気がふくらんで袋がパンパンになります。これは、空気のつぶが元気に動き回って、広い場所をほしがるようになるからです。反対に、冷やすとつぶの動きがおとなしくなり、かさは小さくなります。
また、あたためられてかさが大きくなった空気や水は、まわりよりも軽くなるので、上の方へ動いていきます。これによって、お風呂のお湯が上の方だけ熱くなったり、部屋の上のほうが暖かくなったりする「対流」という現象が起こります。
山の上でお米をたくと、芯が残ってうまくたけないことがあります。これは、空気がうすくて気圧が低いため、お湯が100度になる前にわいてしまうからです。膨張しやすい環境では、温度が上がりきらないという不思議なことが起きるのですね。
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