気管呼吸

一般小学生

まとめ

  • 昆虫や多足類などの節足動物が行う、体表の気門から取り入れた空気を直接組織へ届ける呼吸方式。
  • 血液(血リンパ)による酸素運搬を介さず、体内に張り巡らされた気管網を通じてガス交換を行う。
  • 酸素の物理的な拡散速度に依存するため、生物の大型化を制限する要因の一つとなっている。
生物節足動物呼吸系

解説

気管呼吸は、主に陸上で生活する節足動物が発達させた独自の呼吸システムです。脊椎動物のように肺で取り込んだ酸素を血液によって全身に運ぶのではなく、体表にある「気門」という開口部から空気を取り込み、網目状に分岐した「気管」を通じて各細胞のすぐ近くまで直接酸素を供給します。この方式は、酸素を気体のままダイレクトに届けることができるため、小型の生物にとっては非常にエネルギー効率が良いという利点があります。

また、この仕組みは生息環境への適応の結果でもあります。魚類が「えら」で水中の酸素を取り込み、哺乳類が「肺」で陸上の酸素を取り込むように、昆虫などは気門の開閉によって体内の水分蒸発を抑えつつ、効率的なガス交換を実現しています。

コラム

気管呼吸の最大の弱点は、酸素が管の中を移動するスピード(拡散速度)に限界があることです。体が大きくなると、中心部の組織まで酸素を届けることが物理的に難しくなります。石炭紀などの大昔に存在した巨大な昆虫は、当時の大気中の酸素濃度が現在よりも非常に高かったために、この呼吸法でも生存が可能であったと考えられています。現在の酸素濃度下では、気管呼吸というシステム自体が昆虫のサイズを数センチから十数センチ程度に制限する要因となっています。

小学生のみなさんへ

昆虫こんちゅうやバッタなどの仲間は、わたしたち人間のように鼻や口で息をしているわけではありません。体の横がわにある「気門きもん」という小さな穴から空気を取りこんでいます。

取りこまれた空気は、体の中にある細いストローのような「気管きかん」を通って、全身に運ばれます。人間は血を使って酸素さんそを運びますが、昆虫は空気の通り道を体中にめぐらせることで、直接パワーを届けているのです。

このやり方は、体が小さい昆虫にとってはとても便利な仕組みですが、体が大きくなりすぎると奥まで空気が届かなくなってしまいます。だから、今の世界には人間と同じくらい大きな昆虫はいないのです。

ルラスタコラム

昆虫の体の横をよく観察すると、小さな点のような穴が並んでいるのが見えます。これが「気門」です。水に潜る昆虫の中には、お尻の先にシュノーケルのような管を持っていたり、体のまわりに空気の泡をくっつけて潜ったりする、おもしろい工夫をしている仲間もいますよ。

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