まとめ
- 固体燃料ロケットにおいて、自らが燃焼する「燃料」としての役割と、酸化剤などの成分を固定する「結合材(バインダー)」としての役割を併せ持つ高分子化合物です。
- 石油などを原料に人工的に合成された弾性体であり、宇宙開発の分野では末端水酸基ポリブタジエン(HTPB)などが広く利用されています。
- 酸素のない宇宙空間で燃料を効率よく燃焼させるため、粉末状の酸化剤を均一に保持し、ロケット推進薬の形状を維持する重要な機能を果たします。
解説
合成ゴムは、原油を原料として人工的に製造された高分子化合物です。一般的にはタイヤやゴムホースなどの材料として知られていますが、宇宙ロケットの分野では「固体燃料」の主成分として欠かせない存在です。
固体燃料ロケットの推進薬は、この合成ゴムに粉末状の酸化剤(過塩素酸アンモニウムなど)や助燃剤を練り合わせて作られます。合成ゴムはそれ自体が燃焼して大きなエネルギーを発生させる燃料であると同時に、脆い粉末成分をゴム状に繋ぎ止めてロケットの形状を維持する「バインダー(結合材)」の役割を兼ね備えているのが最大の特徴です。
通常、物質の燃焼には酸素が必要ですが、宇宙空間には酸素が存在しません。そのため、ロケットは燃料とともに「酸化剤」を自ら積み込み、化学反応によって酸素を供給することで燃焼を継続させます。この燃焼エネルギーが推進力へと変換されます。固体燃料は液体燃料に比べて構造が単純で、長期間の保存が可能という利点があり、多くのロケットやミサイルに採用されています。
ロケットが宇宙へ行くためには、燃料を燃やして、すごい力で地面をけり上げなければなりません。でも、宇宙には空気がなくて酸素もありません。ふつう、火を燃やすには酸素が必要ですが、ロケットはどうしているのでしょうか?
実は、ロケットは酸素の代わりになる「酸化剤」という特別な粉を自分で持って行きます。この粉と「合成ゴム」をまぜて固めたものが、ロケットの燃料になります。
合成ゴムは、自分自身が燃えてパワーを出すだけでなく、バラバラの粉をゴムのようにしっかり固めて、ロケットの形をたもつ「のり」のような役割もしています。このゴムのおかげで、ロケットは宇宙でも力強く飛ぶことができるのです。
ロケットに使われる合成ゴムは、みんなが使っている消しゴムやタイヤのゴムとは少しちがう、特別な種類です。とても力強く燃えるように工夫されているんですよ。
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