まとめ
- トンボ目トンボ科に属する、日本全国の平地や低山地で広く見られる代表的なトンボ。
- 成熟したオスは腹部が青白いロウ状の粉で覆われるのが特徴で、その姿が塩を振ったように見えることが名称の由来。
- メスや未成熟のオスは黄色に黒い斑紋を持つ姿をしており、俗に「ムギワラトンボ」と呼ばれる。
解説
シオカラトンボは、日本の水辺環境において最も普遍的に観察される昆虫の一つです。分類学上はトンボ科シオカラトンボ属に位置づけられます。最大の特徴は、成長に伴う体色の劇的な変化(性的二型)にあります。羽化直後は雌雄ともに黄色い体色をしていますが、オスは成熟するにつれて腹部から白い粉を分泌し、全体的に青白く変化します。この粉はワックス状の物質であり、紫外線を反射して体温の上昇を抑える効果があると考えられています。
一方、メスは生涯を通じて黄色い体色を維持し、背面の黒い条紋が麦わらの編み目のように見えることから「ムギワラトンボ」と通称されます。産卵形態は、メスが水面を腹部で叩くようにして卵を放つ「打水産卵」を行い、孵化した幼虫(ヤゴ)は泥底などで生活します。成虫は非常に活動的で、池や沼、湿地だけでなく、都市部の公園や一時的な水たまりなど、多様な環境に適応して生息しています。
シオカラトンボは、日本で一番よく見かけるトンボの仲間です。公園の池や田んぼの近くで、元気に飛び回っている姿を見たことがあるかもしれません。名前の「シオカラ」は、大人のオスが体に白い粉をふいて、まるで塩をまぶしたように見えることからつけられました。
おもしろいことに、シオカラトンボはオスとメスで体の色がまったくちがいます。オスは成長するときれいな水色(青白い色)になりますが、メスや子どものオスは明るい黄色に黒い点がある模様をしています。この黄色い姿は、麦わら帽子に色がにているので「ムギワラトンボ」ともよばれます。
シオカラトンボは、地面や石の上に止まって自分の縄張りを見守る習性があります。ほかのトンボがやってくると、追い払うために力強く飛び立ちます。水の中に卵を産み、幼虫の「ヤゴ」は水の中で小さな虫を食べて育ちます。
シオカラトンボのオスが体に白い粉を出すのは、実は「日焼け止め」の役割があるといわれています。強い太陽の光から体を守るために、自分たちで粉を作っているなんて、とても不思議ですね。
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