まとめ
- 自由蛇行を繰り返す河川において、洪水時の短絡(ショートカット)によって旧河道が本流から分離・孤立して形成された湖沼。
- 日本では石狩川や信濃川などの大規模な平野部を流れる河川流域に多く分布し、かつての河川の流路を今に伝える地形である。
- 自然発生的なもののほか、治水や舟運の利便性を高めるための直線化工事(捷水路工事)によって人工的に切り離されて生じる場合もある。
解説
平地を流れる河川は、外側の攻撃斜面での侵食と内側の滑走斜面での堆積を繰り返すことで、蛇行を次第に大きくしていきます。蛇行が極限に達すると、隣接する流路の間隔が狭まり、洪水などの増水時に堤防が破られて流路が短絡されます。このとき、取り残された古い流路の両端に土砂が堆積して本流から完全に遮断されることで、三日月型の湖が形成されます。
日本においては、明治時代以降の近代河川改修において、洪水を防ぐために曲がりくねった川を直線化する工事が各地で行われました。特に北海道の石狩川流域では、大規模な直線化工事の結果として多くの三日月湖が誕生しました。これらの湖沼群は、現在では公園として利用されたり、かつての湿地帯の生態系を維持する貴重な環境となったりしています。
川はまっすぐ流れているように見えても、平らな場所では右や左に曲がりながら流れています。これを川の蛇行といいます。曲がっているところでは、外側の流れが速くて地面をけずる「侵食」が起こり、内側の流れが遅いところでは砂や泥がたまる「堆積」が起こります。
この動きが続くと川の曲がり方はどんどん激しくなります。そして、大きな雨が降って洪水が起きたとき、川は遠回りをせずにまっすぐ突き抜けて新しい道を作ることがあります。すると、今まで流れていた曲がった部分が取り残されて、池のようになります。これが「三日月湖」です。
三日月湖は、名前の通りお月さまのような形をしています。北海道の石狩川の近くなど、大きな川のまわりでよく見ることができます。昔、川がどこを流れていたかを教えてくれる大切な目印なのです。
アメリカなどでは、三日月湖のことを「オックスボー・レイク(牛の首にかける道具の形の湖)」と呼ぶことがあります。日本では「三日月」に見えるものが、ほかの国では違うものに見えるのはおもしろいですね。
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