腹弁

一般小学生

まとめ

  • アブラゼミなどのオスのセミの腹部にある、大きなふたのような形状をした器官。
  • 発音膜を保護するとともに、音を共鳴させて大きな鳴き声を出す役割を担う。
  • メスのセミには存在しないため、外見から性別を判別する際の重要な指標となる。

解説

セミのオスは、腹部にある「発音筋」という筋肉を高速で伸縮させ、それに連動する「発音膜」を振動させることで音を発生させる。腹弁はこの発音装置を外側から覆うように位置している。

腹弁と腹部の間には空洞があり、これが共鳴室として機能する。腹弁が共鳴板のような役割を果たすことで、発生した小さな振動を大きな音へと増幅させている。また、腹弁を動かして腹部との隙間を微調整することにより、音の強弱音色を変化させ、種類ごとに固有の鳴き声を作り出している。アブラゼミやクマゼミなど、大きな声で鳴く種類ほどこの腹弁がよく発達しているのが特徴である。

コラム

昆虫の体は頭部・胸部・腹部の3節に分かれており、腹部には呼吸を行う気門や、生殖のための器官が集約されている。腹弁は、鳴き声によってメスを呼び寄せる求愛行動(繁殖行動)のために特化した形態である。一方、メスの腹部先端には卵を産み付けるための「産卵管」が備わっており、オスとメスでは腹部の構造が大きく異なっている。

小学生のみなさんへ

セミのオスの、おなかの部分にある大きな「ふた」のようなものを腹弁ふくべんといいます。アブラゼミやクマゼミなどのオスをうらがえして見ると、おなかの上のほうに左右に並んだ大きな板のようなものが見つかります。

セミのオスは、おなかの中にある筋肉きんにくをふるわせて音を出しますが、この腹弁ふくべんがあるおかげで、その音を大きくひびかせることができます。楽器のギターのどうや、スピーカーのような役割をしているのです。このふたを動かして、音の大きさを変えることもできます。

メスのセミには、卵を産むための産卵さんらんかんはありますが、音を出すための腹弁ふくべんはありません。そのため、セミをつかまえたときに、おなかに大きなふたがあればオス、なければメスだとすぐに見分けることができます。

ルラスタコラム

セミの鳴き声は種類によってぜんぜん違いますよね。これは、セミの種類によって腹弁ふくべんの形や、おなかのふるわせ方がちがうからなのです。セミを見つけたら、おなかの形をよく観察してみましょう!

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