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黒さび

黒さび

出典: Wikipedia
一般小学生

まとめ

黒さび
鉄を高温で加熱した際に表面に形成される、緻密で安定した酸化被膜
  • 化学組成は四酸化三鉄(Fe3O4)であり、金属内部を腐食から保護する性質を持つ
  • 約600度以上の高温環境下で生成され、鉄の表面に強く密着する
  • 赤さびとは異なり、空気や水の浸入を遮断する「不動態」に近い役割を果たす

解説

鉄の酸化によって生じる「さび」には、大きく分けて赤さびと黒さびがあります。赤さびは常温で水や酸素と反応して発生し、構造がもろいため内部まで腐食を進行させますが、黒さびは高温で意図的に作られる保護層です。

項目 黒さび(四酸化三鉄) 赤さび(酸化鉄(III))
生成条件 高温での加熱(約600℃以上) 常温での水・酸素との反応
構造 緻密で表面に強く密着する 粗くて隙間が多く、剥がれやすい
内部への影響 腐食の進行を停止させる 水分を通し、内部まで腐食させる
主な用途・例 中華鍋、南部鉄器、建築資材 放置された鉄くぎ、古い水道管

黒さびは非常に緻密な結晶構造を持っており、これがバリアとなって酸素や水分子が鉄の深部へ到達するのを防ぎます。このため、工業的には「黒染め」という防錆処理として利用されています。

コラム

鉄の酸化反応は熱を発生させます。身近な例では「使い捨てカイロ」が挙げられますが、これは鉄粉が空気中の酸素と反応して酸化鉄(主に赤さびの成分)になる際に出る熱を利用しています。また、鉄くぎを水に浸す実験では、水面付近が最もさびやすいことが知られています。これは、水と空気中の酸素の両方が豊富に供給されるためです。なお、金属の酸化における質量変化の例として、銅4gを完全に燃焼させると5gの酸化銅(1.25倍)になることが知られていますが、鉄の酸化においても同様に酸素が結びつくことで質量が増加します。

小学生のみなさんへ

鉄をとても高い温度で焼くと、表面に黒っぽい膜ができることがあります。これが「黒さび」です。ふだん見かけるボロボロした赤茶色のさび(赤さび)とは、まったくちがう性質を持っています。

赤さびは鉄をボロボロにしてしまいますが、黒さびは鉄の表面にピタッとくっついて、中までさびるのを防いでくれる「守りの膜」になります。中華なべや南部鉄器なんぶてっきという鉄の道具が黒いのは、この黒さびの膜を作って、道具が長持ちするように工夫されているからです。

鉄がさびるには、水と酸素さんそが必要です。水につけた鉄くぎが、水面のあたりで一番さびやすいのは、そこが水も空気もたっぷりある場所だからです。黒さびはこの水や酸素さんそが中に入らないようにブロックしてくれる、たのもしい存在なのです。

ルラスタコラム

冬に使う「使い捨てカイロ」の中には、鉄の粉が入っています。鉄が空気中の酸素と結びついて「さび」に変わるときに出る熱を使って、手を温めているんですよ。

テストでの問われ方・理解度チェック

【基礎】 黒さびの主成分である化合物の名称と、それが生成される主な条件を答えなさい。
名称:四酸化三鉄(Fe3O4)、条件:鉄を高温(約600℃以上)で加熱する。
【応用】 黒さびが赤さびと異なり、鉄の腐食を防ぐことができるのはなぜか。その理由を構造の観点から説明しなさい。
黒さびは構造が非常に緻密で鉄の表面に強く密着しているため、空気や水の浸入を遮断し、内部の酸化が進行するのを防ぐ保護層として機能するから。
【実践】 鉄くぎを水に半分入れたとき、最もさびやすいのはどの部分か。また、その理由を「酸化」の条件に触れて記述しなさい。
部分:水面付近。理由:鉄がさびる(酸化する)ために必要な「水」と「酸素」の両方が、最も効率よく供給される場所であるため。

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