鉄の黒さび

一般小学生

まとめ

  • 鉄を高温で加熱した際に表面に生成される、黒色の緻密な酸化物四酸化三鉄)。
  • 表面に硬い皮膜を形成することで、内部への酸素や水の浸入を遮断し、腐食の進行を抑制する性質を持つ。
  • 赤さびとは異なり、工業的には中華鍋や工具などの防錆処理(黒染め)に広く利用される。
化学変化酸化四酸化三鉄防錆

解説

鉄の酸化反応によって生じる「さび」には、大きく分けて赤さびと黒さびの2種類が存在します。赤さびは常温で水分や酸素と反応して生じる酸化鉄(III)であり、構造が非常にもろく隙間が多いため、内部まで腐食を進行させてしまいます。

一方、鉄を1000度近い高温で熱した際に生じる黒さびは、化学組成を四酸化三鉄(Fe3O4)といい、磁鉄鉱の主成分としても知られています。この黒さびは非常に緻密で硬い結晶構造を持つため、鉄の表面をコーティングする「不動態層」のような役割を果たします。この皮膜がバリアとなり、内部の鉄が酸素と反応するのを防ぐため、さらなる腐食を食い止めることができるのです。

コラム

鉄がさびる反応は、化学的には金属が酸素と結びつく酸化反応の一種であり、エネルギー放出しながら進むため、極めてゆっくりとした「燃焼」と捉えることもできます。また、鉄がさびると結びついた酸素の分だけ全体の質量が増加します。実験データによれば、金属の酸化においては反応する物質の質量比が一定(例:酸化銅還元では銅と酸素が4:1)になるなど、定比例の法則が成り立つことも重要な学習ポイントです。

小学生のみなさんへ

鉄を強い火で熱したときに、表面にできる黒い色の「さび」のことを「黒さび」といいます。ふだん見かける茶色の「赤さび」は、鉄をボロボロにしてしまいますが、黒さびは鉄を強く守ってくれる特別なさびです。

黒さびはとても固くて、空気や水が中に入りこむのを防いでくれます。そのため、中華なべや道具の表面にわざと黒さびを作ることで、鉄がボロボロにならないように工夫されています。このように、金属が酸素と結びついてさびる反応は、実はとてもゆっくりとした「燃焼(ねんしょう)」と同じ仲間なのです。

ルラスタコラム

実は、黒さびは「磁石」にくっつく性質があります。自然界にある「磁鉄鉱じてっこう」という石も、この黒さびと同じ成分でできているんですよ。

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