- 標高が高くなるにつれて気温が低下し、それに応じて植物の分布が帯状に変化する現象のことです。
- 日本では標高の低い順に、丘陵帯、山地帯、亜高山帯、高山帯の4つの区分に分けられます。
- 標高が100m上がるごとに気温が約0.6度下がるため、垂直方向の移動は水平方向(南北)の移動に匹敵する植生変化をもたらします。
解説
植物の生育は気温に強く依存しており、標高による温度変化は植生に決定的な影響を与えます。本州中部の高い山を例にすると、標高約700mまでの丘陵帯ではカシやシイなどの常緑広葉樹が見られます。そこから標高約1500mまでの山地帯では、ブナやミズナラといった落葉広葉樹が主役となります。
さらに標高が上がると亜高山帯に入り、シラビソやコメツガなどの針葉樹林が広がります。標高約2500m付近に達すると、低温や強風のために高木が育たなくなる森林限界を迎えます。これより高い高山帯では、ハイマツの低木林や、厳しい環境に適応した高山植物によるお花畑が形成されます。
コラム
垂直分布の多様性は、自然環境の豊かさを示す指標でもあります。例えば、世界自然遺産に登録されている屋久島は、海岸付近の亜熱帯植物から山頂付近の亜寒帯植物までが連続して見られる垂直分布の宝庫として高く評価されています。
また、垂直分布は緯度によってその高さが変動します。北にある山ほど気温が低いため、森林限界などの境界線は南の山に比べて低い標高に現れます。こうした植生の変化を学ぶことは、地域の気候特性や生態系の保護を考える上で非常に重要です。