まとめ
- 川の上流の山地で、河川による強い下向きの侵食作用(下刻)によって深く削り取られた、横断面がV字型の急峻な谷。
- 流水の3つの作用(侵食・運搬・堆積)のうち、特に流速の速い場所で起こる侵食と運搬が卓越することで形成される。
- 谷の両側の斜面が風化や雨水によって崩落し、河川へ運び去られるプロセスが繰り返されることで鋭い形状が維持される。
解説
山地を流れる河川は勾配が急であり、流速が速いため、川の底を深く削る「下刻(かこく)」という働きが非常に強く働きます。この下刻によって谷が深くなる一方で、谷の両側の斜面が雨水や風化によって徐々に崩落し、河川へと運び去られます。このプロセスが繰り返されることで、横断面がアルファベットの「V」の字に似た鋭い形状の谷が形成されます。
流水には「侵食・運搬・堆積」という3つの作用がありますが、V字谷が形成される上流部では、流速が速いために侵食と運搬の力が堆積の力を大きく上回っています。このような地形は、日本のように地盤の隆起が激しく、侵食力の強い山岳地帯で多く見られるのが特徴です。
V字谷と対比される地形に、氷河の移動による削剥作用で形成された「U字谷(ゆうじだん)」があります。U字谷は底が平らな形状を持つため、V字谷とは成因も形状も明確に区別されます。
また、川原の石の大きさを調べる実習では、1メートル四方の枠内の石を大きい順に100個選び、その長径を測って分布を調べる手法があります。V字谷が見られるような上流部では、下流に比べて石が大きく、角張っていることが科学的に確認できます。
川の上流にある山の中では、水の流れがとても速く、川の底をけずる力がとても強くなります。この力で地面が深くほり下げられ、アルファベットの「V」の形に見える深い谷ができることがあります。これを「V字谷」と呼びます。
山の上の方では、水が地面をけずる「侵食」や、けずった土や石を運ぶ「運搬」という働きがさかんです。谷の横側の斜面が雨などでくずれて川に流されることで、切り立った鋭い形になっていきます。
川原にある石の大きさを調べると、その場所が上流か下流かがわかります。上流のV字谷の近くでは、石は大きくて角ばっていますが、下流に行くほど石どうしがぶつかって、小さく丸くなっていきます。1メートル四方のわくの中にどんな石があるか数えてみるのも、おもしろい自由研究になりますよ。
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