まとめ
- 卵白が半熟状態で、卵黄のみが軟らかく凝固した状態の卵料理。
- 卵白(約75℃以上)と卵黄(約65℃以上)の凝固温度の差を利用して作られる。
- 70℃前後の一定温度で加熱し続けることで、熱伝導により中心部の卵黄のみを凝固させる。
解説
熱は温度の高い場所から低い場所へ移動する「熱伝導」という性質を持っています。卵をお湯に入れると、熱はお湯から外側の卵白へ、そして内側の卵黄へと伝わっていきます。通常のゆで卵は100℃の沸騰した湯で加熱するため、外側の卵白から順に凝固温度に達して固まっていきます。
一方、温泉玉子の場合は、卵白が完全に固まる温度(約75℃〜78℃)を下回り、かつ卵黄が固まる温度(約65℃〜70℃)を上回る「70℃前後」の湯に浸します。この温度を維持することで、中心部にある卵黄は凝固温度に達して固まりますが、外側の卵白は完全な凝固に至らず、流動性を持った半熟状態に留まります。このように、物質が特定の温度で状態を変化させる性質と、熱が外部から内部へ伝導する原理を組み合わせることで、温泉玉子特有の状態が作り出されます。
温泉玉子は、白身がトロトロで半分固まったような状態で、黄身だけがしっかりと固まっている不思議な卵料理です。ふつうのゆで卵は白身から固まりますが、温泉玉子はその逆のような状態になっています。
これには、卵が固まる温度のちがいが関係しています。卵の白身は約75度にならないと完全に固まりませんが、黄身は約65度から固まり始めます。この性質を利用して、70度くらいのお湯の中に卵を長く入れておくと、黄身だけが固まって白身が固まりきらない温泉玉子ができあがります。
熱は外側から内側へと伝わっていくので、お湯の温度をうまく調節することで、このような特別な状態を作ることができるのです。理科の「物のあたたまり方」のヒントが、料理の中にもかくれているのですね。
温泉玉子という名前は、温泉のわき出ている場所にお湯の温度がちょうど70度くらいのものがあり、そこで卵をつけて作ったことから名付けられました。自然の温度をうまく利用した昔の人の知恵ですね。
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