福島第一原子力発電所は、福島県の大熊町と双葉町にまたがって位置する東京電力の原子力発電所です。2011年3月11日の東日本大震災で発生した巨大な津波により、全電源を喪失して原子炉の冷却ができなくなり、放射性物質が外部へ漏れ出す重大な事故が発生しました。
解説
東日本大震災は、海側の太平洋プレートが陸側の北アメリカプレートの下に沈み込む境界で発生した巨大地震です。この地震による津波が発電所を襲い、原子炉を冷却するための全ての電源が失われました。その結果、炉心溶融(メルトダウン)や水素爆発が起こり、広範囲に放射性物質が拡散される事態となりました。
震災前、日本の発電量において原子力発電は主要な役割を担っていましたが、この事故を境に国内のほとんどの原発が停止しました。その不足分を補うために、石炭や天然ガスを用いる火力発電の割合が急増しました。現在は温室効果ガスの排出削減とエネルギー自給率の観点から、再生可能エネルギーの導入拡大や安全基準を満たした原発の再稼働が重要な議論の的となっています。
コラム
大規模な震災による被害を比較すると、東日本大震災の死因の大部分は「津波」でした。これに対し、1923年の関東大震災では「火災」が、1995年の阪神・淡路大震災では「建物の倒壊」が主な死因となっており、それぞれの災害特性が異なります。福島の事故現場では現在も廃炉に向けた困難な作業が続いており、溶け落ちた燃料の取り出しや、処理水の取り扱いといった長期的な課題が残されています。