まとめ
解説
水上置換法は、気体の「水への溶解性」が低いことを利用した最も標準的な捕集技術です。あらかじめ水で満たした集気びんや試験管を水中で転倒させ、発生した気体を泡として導入することで、容器内の水を外部へ押し出して気体を回収します。
この手法の最大の利点は、容器内の空気を完全に排除できるため、上方置換法や下方置換法に比べて不純物の少ない気体が得られる点にあります。また、反応速度の測定や、過酸化水素水の濃度と酸素発生量の比例関係を調べるような定量的な実験において、気体の体積を正確に測定できるため非常に有効です。例えば、亜鉛やアルミニウムに塩酸を加えた際の水素発生量や、炭酸カルシウムに塩酸を加えた際の二酸化炭素発生量の計算問題など、定量的な考察が必要な場面で多用されます。
| 捕集方法 | 適した気体の性質 | メリット | 代表的な気体 |
|---|---|---|---|
| 水上置換法 | 水に溶けにくい | 純度が高く、捕集量が目視できる | 酸素、水素、窒素 |
| 上方置換法 | 水に溶けやすく空気より軽い | 水に溶ける気体を集められる | アンモニア |
| 下方置換法 | 水に溶けやすく空気より重い | 水に溶ける気体を集められる | 二酸化炭素、塩化水素 |
実験上の重要な安全管理として、加熱を伴う実験(酸化銀の熱分解など)では、加熱を止める前に必ずガラス管を水から抜かなければなりません。これは、加熱停止による装置内の温度低下に伴い圧力が下がり、水槽の水が逆流して高温の試験管を破損させるのを防ぐためです。
また、実験開始直後に発生する気体は、装置内に元々存在していた空気を含んでいるため、数秒待ってから捕集を開始するのが一般的です。二酸化炭素のように水にわずかに溶ける気体であっても、正確な体積測定が必要な場合は、水面に油を浮かせて溶解を遮断した上で水上置換法が採用されることもあります。捕集後は、気体が容器に満たされたことを確認するため、二酸化炭素であれば火のついたマッチを近づけて消えるか確認するなどの操作が行われます。
水上置換法(すいじょうちかんほう)は、水に溶けにくい気体を集めるときに使う方法です。水を入れた水そうの中で、水でいっぱいにしたびんを逆さまにして、そこに気体を送り込みます。すると、気体が水の代わりにびんの中に入っていき、水が押し出されていきます。
この方法の良いところは、空気がまざらないので、純粋な気体を集められることです。また、びんの中の水が減った分だけ気体がたまったことがわかるので、どれくらいの量の気体ができたかを目で見ることができます。
酸素や水素、窒素などは水に溶けにくいので、この方法で集めます。二酸化炭素は少し水に溶けますが、どれくらい発生したかを正確に調べたいときには、この方法を使うことがあります。実験では、過酸化水素水に二酸化マンガンを加えたり、亜鉛やアルミニウムに塩酸を加えたりして気体を作ります。
二酸化炭素をペットボトルの水に溶かしてふると、ペットボトルがへこむことがあります。これは、気体の二酸化炭素が水に溶けて、中の体積が小さくなるからです。水上置換法を使うときは、このように「水に溶けるかどうか」という気体の性質を知っておくことがとても大切です。
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