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情報不足(DD)

一般小学生

まとめ

情報不足(DD)
生物の分布や個体数などの情報が足りないため、絶滅の危険度を判定できないカテゴリー
  • 絶滅の危険がないわけではなく、判定するための科学的根拠が不足している状態を指す
  • 調査が進めば、絶滅危惧種(絶滅の恐れがある種)に分類される可能性がある
  • レッドリストにおいて、保全のための優先的な調査が必要とされる区分である

解説

情報不足(Data Deficient, DD)は、世界自然保護連合(IUCN)などが作成するレッドリストにおいて、ある生物種が絶滅の危機に瀕しているかどうかを判断するためのデータが十分に揃っていない状態を指します。

このカテゴリーに分類される理由は様々です。例えば、その生物が極めて限られた地域にしか生息していない、夜行性で発見が難しい、あるいは分類学的にまだ整理されていないといったケースが挙げられます。重要なのは、DDは「安全である」ことを意味しない点です。むしろ、実態がわからないために、知らないうちに絶滅が進んでしまうリスクをはらんでいます。

以下に、混同されやすい「未評価(NE)」との違いをまとめます。

カテゴリー 意味 調査の状況
情報不足(DD) 評価を試みたがデータが足りない ある程度の調査は行われている
未評価(NE) 評価自体がまだ行われていない 評価基準に照らした審査前
コラム

情報不足とされた種の中には、その後の詳細な調査によって、実は絶滅の危機が非常に高い「絶滅危惧Ⅰ類」などに再分類されるケースが少なくありません。そのため、研究者の間では「DDは潜在的な絶滅危惧種である」という認識のもと、優先的な調査が呼びかけられています。

近年では、スマートフォンのアプリを使って一般市民が生き物の目撃情報を投稿する「シチズン・サイエンス(市民科学)」や、環境中に含まれるDNAを分析する「環境DNA」技術の発展により、これまでDDだった種の生態が次々と明らかになりつつあります。

小学生のみなさんへ

情報不足じょうほうぶそく」というのは、その生き物が今どこに何匹くらい住んでいるのか、くわしいことがわからなくて、絶滅ぜつめつしそうかどうかが決められない状態じょうたいのことです。

「数がたくさんいるから安心」ということではなく、ただ「わからない」だけなので、実はこっそり数がへっていて、ピンチになっているかもしれません。

学者の人たちが一生けんめい調べて、もし「絶滅ぜつめつしそうだ」とわかれば、すぐに守るための作戦を立てることができます。だから、まずはその生き物のことをよく知ることが、命を守るための第一歩になるのです。

ルラスタコラム

深海(しんかい)に住んでいる生き物や、ジャングルの奥深くに住んでいる生き物は、見つけるのがとてもむずかしいため、この「情報不足」になりやすいんだよ。みんなが新しい生き物を見つけたら、それが歴史的な発見になるかもしれないね!

テストでの問われ方・理解度チェック

【基礎】 レッドリストにおける「情報不足(DD)」とは、どのような状態を指しますか?
生物の生息数や分布などのデータが不十分なため、絶滅の危険性を正しく評価(ランク付け)できない状態のこと。
【応用】 「情報不足(DD)」と「低懸念(LC:絶滅の恐れが低い)」の決定的な違いは何ですか?
低懸念は「調査の結果、絶滅の恐れが低いと判断された」状態ですが、情報不足は「データがないため、恐れがあるかないか自体が判断できない」状態であるという点。
【実践】 ある種が「情報不足(DD)」に分類された場合、保全の観点からはどのようなアクションが求められますか?
絶滅の危険性を見逃している可能性があるため、優先的に生息状況の調査を行い、適切なカテゴリーへ再分類するための科学的データを集めることが求められます。

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