- キャベツは日本で最も生産量が多い主要野菜の一つであり、群馬県、愛知県、千葉県が上位産地として知られる。
- 夏秋キャベツ(群馬など)と冬キャベツ(愛知など)のように、産地をリレーさせることで年間を通じた安定供給が実現されている。
- 農業統計においては、農家1戸あたりの作付面積の変化や生産量の減少率から、日本農業の構造的課題を分析する指標となる。
解説
キャベツの生産は、地域の気候特性を最大限に活用した「産地リレー」が特徴です。夏季には群馬県の嬬恋村などの高冷地において、涼しい気候を利用した「抑制栽培」が行われます。一方、冬季には愛知県の渥美半島などの温暖な地域で、温暖な気候を活かした「促成栽培」や冬キャベツの生産が盛んです。このように、標高や緯度による気温差を利用することで、端境期をなくし市場への安定した供給が可能となっています。
近年の農業統計データからは、農業従事者の高齢化や後継者不足に伴う変化を読み取ることができます。具体的には、農家数の減少に伴い、1戸あたりの作付面積が拡大する「規模拡大」の動きが見られる一方で、地域全体の生産意欲の減退により総生産量が減少するケースもあります。試験問題では、こうした統計表から減少率を算出したり、都道府県別の生産シェアからその地域の地理的条件(高原野菜か平地農業かなど)を特定したりする考察力が問われます。
コラム
キャベツは天候による作柄の変動が激しく、価格が乱高下しやすい「指定野菜」の一つです。近年では、家庭での生食だけでなく、外食産業やカット野菜などの加工用需要が高まっており、天候リスクを分散するために価格を固定した「契約栽培」を導入する農家も増えています。
また、世界的な視点で見ると、中国が世界の生産量の半分以上を占める圧倒的な1位となっています。しかし、キャベツは鮮度が重要視される重量野菜であるため、日本国内で消費されるものの多くは国内産で賄われているのが現状です。