まとめ
- 物体同士が擦れ合う際に、摩擦力によって運動エネルギーが熱エネルギーに変換されて発生する熱のことです。
- 物質の温度を上昇させ、燃焼が始まる温度である「発火点」に到達させる重要な役割を果たします。
- マッチの着火や古来の火起こしなど、エネルギー変換を利用した身近な現象として知られています。
解説
物体が他の物体の表面に沿って動くとき、その接触面には運動を妨げようとする摩擦力が働きます。この摩擦力に抗して物体を動かすために費やされた仕事(エネルギー)は、接触面の分子運動を活性化させ、物質の内部エネルギーを増加させます。その結果として温度が上昇し、熱が発生します。これが摩擦による熱の仕組みです。
物の燃焼には「燃える物」「酸素」「発火点以上の温度」という3つの条件が必要ですが、摩擦による熱はこのうちの温度条件を満たすために利用されます。例えば、マッチを箱の側面に擦り付ける際、摩擦によって一瞬で急激な温度上昇が起こり、頭薬が発火点に達することで燃焼が始まります。自動車のブレーキが長時間使用されると高温になるのも、運動エネルギーが摩擦によって熱に変換される代表的な例です。
物と物をこすり合わせたときに生まれる熱のことを「摩擦による熱」といいます。寒い日に両手をこすり合わせると温かくなるのは、この熱が発生しているからです。
物が燃えるためには、温度が「発火点」という決まった高さまで上がる必要があります。マッチを箱の横でシュッとこするのは、わざと強い摩擦を起こして、一気に温度を上げるためです。こうして生まれた熱が、火をつけるきっかけになります。
火がついた後の「ろうそくの炎」をよく見ると、場所によって温度が違います。一番外側は酸素(空気にふくまれる、物を燃やすはたらきがある気体)とたくさんふれあうので一番熱くなりますが、真ん中の方は酸素が足りないのであまり熱くありません。火を消すときは、水をかけて温度を下げたり、空気をさえぎったりして、燃えるための条件をなくすことが大切です。
大昔の人は、木と木をはげしくこすり合わせて火を起こしていました。これも摩擦による熱を利用した知恵です。今の自動車のブレーキも、タイヤを止めるために摩擦を使っているので、使いすぎると火が出るほど熱くなることがあるんですよ。
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