- 秩父山地
- 関東地方の西縁に位置し、東京都、埼玉県、群馬県、山梨県、長野県の1都4県にまたがる険しい山地
- 関東平野の西側に位置し、荒川や多摩川、千曲川などの主要河川の源流部となっている。
- 標高2,000m級の山々が連なり、その大部分が秩父多摩甲斐国立公園に指定されている。
- 古くからの山岳信仰の場であるとともに、複雑な地質構造を持つ「秩父帯」として知られる。
解説
秩父山地は、関東平野の西側にそびえる広大な山地です。地形的には、北側を碓氷峠や荒川断層、南側を桂川(相模川)によって区切られています。この山地は、関東地方の水源として極めて重要な役割を果たしており、東側へ流れる荒川や多摩川、西側へ流れる笛吹川(富士川水系)、北側へ流れる千曲川(信濃川水系)などの分水嶺となっています。
地質学的には「秩父帯」と呼ばれる古い地層が広く分布しており、石灰岩の採掘が盛んな武甲山のように、産業とも深く結びついています。また、関東平野との境界付近では、山地から運ばれた土砂が堆積して扇状地や台地を形成しており、これが関東地方特有の地形を生み出す要因の一つとなっています。
| 比較項目 |
秩父山地(山地部) |
関東平野(平野部) |
| 地形の特色 |
標高が高く険しい、V字谷が多い |
広大で平坦、台地と低地が混在 |
| 主な河川の役割 |
河川の源流(水源地) |
下流(生活・農業用水) |
| 主な産業 |
林業、石灰岩採掘、観光業 |
近郊農業、工業、商業 |
| 土地利用 |
国立公園、森林保護区 |
住宅地、工業地帯、耕作地 |
コラム
秩父山地は、古くから信仰の対象としても重要視されてきました。三峯神社や御嶽神社などは、険しい山岳地帯を修行の場とする人々によって発展した歴史があります。また、地質学的な価値も高く、日本列島の形成過程を示す複雑な地層が露出していることから「日本地質の発祥の地」とも呼ばれます。冬場には、シベリア高気圧から吹き出す冷たい北西の季節風がこの山地を越える際、水分を雪として落とすため、山を越えて関東平野に吹き降ろす風は非常に乾燥した「からっ風」となります。