一般小学生
まとめ
- 鉄鉱石を主原料とし、石炭(コークス)や石灰石を用いて鋼鉄を生産する工業のこと。
- 自動車、造船、建設などあらゆる産業の基盤となる素材を供給するため「産業の米」と呼ばれる。
- 原料の輸入と製品の輸出の利便性から、大規模な工場の多くが臨海部に立地している。
解説
鉄鋼業は、鉄鉱石を溶かして不純物を取り除き、強度の高い「鋼(はがね)」を作り出す産業です。重化学工業の中核をなし、日本の近代化と経済成長を牽引してきました。明治時代に設立された官営八幡製鉄所がその先駆けであり、戦後の高度経済成長期には、世界トップクラスの生産技術を確立しました。
主な生産拠点は、千葉、神奈川、愛知、大阪(堺市など)、兵庫、岡山といった臨海部に集中しています。これは、主原料である鉄鉱石や石炭のほぼ全量を海外からの輸入に頼っているため、大型船が直接接岸できる港の近くに工場を構えることが輸送コストの削減に直結するからです。このように、原料の搬入から製品の加工・出荷までを効率的に行う臨海型工業の代表例となっています。
コラム
鉄鋼業は「金属工業」に分類され、その発展は関連する機械工業や化学工業の成長も促しました。一方で、高度経済成長期に工業地帯へ人口が集中した結果、中国・四国地方の山間部などでは過疎化が進むといった地域格差も生じました。また、臨海部に巨大な設備が集中しているため、南海トラフ巨大地震などの大規模災害時には、津波による浸水被害が大きなリスクとして指摘されており、防潮堤の強化などの対策が進められています。近年では、環境保護の観点から、製造過程での二酸化炭素排出を抑える技術開発も重要な課題となっています。
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