- 高い場所にある水が低い場所へ落ちるエネルギー(落差)を利用して水車を回し、発電機を動かして電気を作る仕組み。
- 日本の再生可能エネルギーの中で最も発電量が多く、発電時に二酸化炭素を排出しないクリーンな電源として重要視されている。
- かつての日本では発電の主力(水主火従)だったが、現在は火力発電が中心となり、水力は電力需要の調整役を担うことが多い。
解説
水力発電は、水の「位置エネルギー」を「電気エネルギー」に変換する発電方式です。日本は急峻な山地が多く、年間降水量も豊かなため、地形的に水力発電に適しています。主に大規模なダムを建設して水を貯める「貯水池式」や、川の流れをそのまま利用する「流れ込み式」などがあります。
歴史的には、明治時代から日本の近代化を支える主要なエネルギー源でした。1950年代までは水力発電が発電量の大部分を占める「水主火従(すいしゅかじゅう)」の時代でしたが、高度経済成長期に電力需要が急増すると、大量発電が可能な火力発電が主流となる「火主水従(かしゅすいじゅう)」へと変化しました。現在では、太陽光や風力と並ぶ再生可能エネルギーの一つとして、安定した供給力を期待されています。
コラム
水力発電の大きなメリットは、一度ダムを建設すれば燃料費がかからず、長期間にわたって安定した発電が可能な点です。また、発電の開始や停止が素早く行えるため、1日のうちで電力消費が激しく変化する時間帯の調整用電源としても非常に優秀です。
一方で、大規模なダム建設には莫大な初期費用と長い年月が必要であり、周辺の自然環境や生態系への影響も避けられません。また、日本海側では冬の積雪が春に溶け出すことで河川の流量が増えるため、季節によって発電能力が変動するという特徴もあります。近年では、環境負荷の少ない「中小水力発電」の活用も注目されています。