- 合成洗剤
- 石油や油脂を原料として化学的に合成された界面活性剤を主成分とする洗剤
- 石油などの原料から化学合成され、硬水でも高い洗浄力を維持できるのが特徴です
- 1960年代以降、排水に含まれるリンなどが原因で河川や湖沼の富栄養化を引き起こしました
- 滋賀県の琵琶湖などで「せっけん運動」が起こり、環境への影響が社会問題化しました
解説
合成洗剤は、天然の動植物油脂を原料とする「せっけん」とは異なり、主に石油を原料として化学的に作られます。水に溶けやすく、ミネラル分の多い硬水でも洗浄力が落ちないため、洗濯用や台所用として広く普及しました。
しかし、初期の合成洗剤は微生物によって分解されにくい成分を含んでいたり、洗浄力を高めるために「リン」が配合されていたりしました。これが生活排水として流されると、プランクトンが異常発生する「富栄養化」を招き、赤潮などの公害を引き起こす原因となりました。現在では、環境負荷を減らすためにリンを含まない「無リン洗剤」や、分解されやすい成分への切り替えが進んでいます。
| 項目 |
合成洗剤 |
せっけん |
| 主な原料 |
石油・天然油脂(化学合成) |
天然の動植物油脂 |
| 硬水での使用 |
洗浄力が落ちにくい |
洗浄力が落ちやすい |
| 環境への影響 |
分解に時間がかかる場合がある |
微生物により分解されやすい |
コラム
環境保護の歴史において、滋賀県の「せっけん運動」は非常に重要です。1970年代、琵琶湖で大規模な赤潮が発生したことをきっかけに、住民が合成洗剤の使用をやめて粉せっけんを使おうという運動を展開しました。これが1979年の「滋賀県琵琶湖の富栄養化の防止に関する条例」制定につながりました。
また、現代の環境対策としては自動車の動力源も注目されています。ガソリン車から、エンジンとモーターを併用するハイブリッド車、電気のみで走る電気自動車(EV)、水素で発電する燃料電池車(FCV)へと、より環境負荷の低い技術への転換が進んでおり、洗剤の進化と同様に「持続可能な社会」への取り組みの一環といえます。