- 水産業の現状
- 日本の漁業生産量の減少や従事者の高齢化、国際的な漁業規制への対応など、現在の日本の水産業が直面している諸状況のこと
- 1984年のピーク以降、日本の漁獲量は減少を続けており、現在は輸入への依存度が高い
- 国際的な排他的経済水域(EEZ)の設定により、遠洋漁業から沿岸・沖合漁業や「育てる漁業」への転換が進んだ
- 漁業従事者の高齢化が進行しており、労働力確保と資源管理の両立が課題となっている
解説
日本の水産業は、1980年代半ばまで世界トップクラスの漁獲量を誇っていましたが、現在は減少傾向にあります。その背景には、国際的な規制と国内の構造的変化の2点があります。
国際的には、1970年代後半から世界各国が「排他的経済水域(EEZ)」を設定したことで、日本の漁船が他国の近くで自由に魚をとることができなくなりました。これにより、遠くの海へ行く「遠洋漁業」が衰退しました。
国内では、魚を食べる習慣の変化(食の欧米化)や、安価な輸入魚の増加、さらに漁師の高齢化と後継者不足が深刻です。これらに対抗するため、現在は「とる漁業」だけでなく、稚魚を放流する「栽培漁業」や、生け簀で育てる「養殖業」へのシフトが進んでいます。
| 漁業の種類 |
主な場所 |
特徴 |
| 遠洋漁業 |
遠くの公海や他国のEEZ |
大型船で数ヶ月かけて操業するが、規制により減少 |
| 沖合漁業 |
日本のEEZ内(沖合) |
日本の漁獲量の中心だが、資源の減少が課題 |
| 沿岸漁業 |
海岸に近い海域 |
日帰りで行う小規模な漁業。高齢化が最も顕著 |
| 養殖業 |
内海や湖など |
人工的に育ててから出荷する「育てる漁業」 |
コラム
2019年の日本の漁獲量は、養殖を除くと世界第8位となっています。かつての1位から順位を下げていますが、依然として世界有数の水産国です。
近年は、資源を守るために「漁獲可能量(TAC)」を設定し、とってよい魚の量を法律で決める管理が強化されています。また、消費者に持続可能な漁業であることを伝える「エコラベル(MSC認証など)」の普及も、水産業の新しい形として注目されています。