一般小学生
まとめ
- 水銀の熱膨張を利用して体温を測定する、ガラス製の計測器具。
- 測定値の安定性が高く電池も不要だが、測定に5分から10分程度の時間を要する。
- 水俣条約による規制を受け、現在はデジタル式の電子体温計への置き換えが進んでいる。
解説
水銀体温計は、物質が熱によって体積を増す「熱膨張」という物理現象を応用しています。細いガラス管の中に封入された水銀が、体温によって温められることで膨らみ、管の中を上昇します。その到達した位置をメモリで読み取ることで、体温を特定します。
この器具の最大の特徴は、ガラス管の根元付近に設けられた「留点(りゅうてん)」と呼ばれる非常に細いくびれです。体温を測り終えて体から離すと、水銀は冷えて収縮しようとしますが、このくびれがあるために水銀柱が途切れて上部に残り、温度が下がっても目盛りが維持されます。これにより、正確な数値を落ち着いて確認することが可能になります。使用後は、体温計を強く振ることで遠心力を利用し、水銀を元の位置(球部)へ戻します。
コラム
かつては医療現場や家庭で広く普及していましたが、2013年に採択された「水銀に関する水俣条約」により、環境負荷の低減を目的として水銀製品の製造・輸出入が原則禁止されました。これに伴い、現在ではサーミスタ(温度によって抵抗値が変わる半導体)を用いた電子体温計や、赤外線センサーを用いた非接触型体温計が主流となっています。
水銀は常温で液体の金属であり、破損した際に漏れ出すと蒸発して毒性を持つため、取り扱いには注意が必要です。もし家庭で古い水銀体温計を廃棄する場合は、一般ごみとして捨てず、各自治体が定める特定有害廃棄物の回収ルールに従う必要があります。
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