- 鳥取県鳥取市の日本海沿岸に位置する、東西約16km、南北約2.4kmに及ぶ日本最大級の海岸砂丘。
- 中国山地の岩石が風化した砂が千代川によって海へ運ばれ、波と冬の季節風の作用で長年かけて堆積して形成された。
- 山陰海岸国立公園の特別保護地区に指定されており、風紋や砂柱などの独特な地形景観や、乾燥地研究の拠点として知られる。
解説
鳥取砂丘は、主に千代川から供給される砂が日本海の沿岸流と波によって海岸に打ち上げられ、それがさらに北西からの強い季節風によって内陸側へと運ばれることで形成されました。この砂の移動と堆積のプロセスは、約10万年前から繰り返されてきたと考えられています。砂丘内には「馬の背」と呼ばれる高さ約40mの巨大な砂の丘や、すり鉢状に深くくぼんだ「追後スリバチ」など、起伏の激しい地形が見られます。
また、砂丘の表面には風の力によって「風紋(ふもん)」という幾何学的な模様が描かれます。これは風速や砂の粒子の大きさが一定の条件を満たしたときに現れる自然の芸術であり、刻一刻と表情を変える砂丘の象徴的な風景です。砂丘の地下には、大山などの火山から飛来した火山灰層も含まれており、地質学的にも貴重な資料となっています。
コラム
現在、鳥取砂丘では「草原化」という環境問題に直面しています。周辺の植林や砂防ダムの建設により砂の供給バランスが崩れ、砂丘内に雑草が広がることで本来の景観が損なわれつつあります。このため、市民ボランティアによる定期的な除草作業が行われ、砂丘の維持・保全に力が注がれています。
また、砂丘の気候や地質を活かした研究も盛んです。隣接する鳥取大学乾燥地研究センターでは、砂丘をフィールドとして世界の砂漠化対策や乾燥地農業の研究が行われており、国際的な研究拠点としての役割も果たしています。観光面では、ラクダに乗った散策やパラグライダー、サンドボードなどのアクティビティも人気を博しています。