北上高地は、岩手県の中央部から東部の太平洋沿岸にかけて広がる、隆起準平原の地形的特徴を持つ古い山地です。北は青森県南部から南は宮城県北部にまで及び、なだらかな山並みが続く高原状の景観が特徴です。
解説
東北地方の中央を南北に貫く奥羽山脈に対し、その東側に位置するのが北上高地です。新期造山帯の活動の影響を強く受け、火山を多く含む険しい奥羽山脈とは対照的に、北上高地は古生代から中生代にかけての非常に古い地層で構成されています。長い年月の浸食作用によって平坦化された後、再び隆起したことで「隆起準平原」と呼ばれる独特の地形が形成されました。
最高峰は標高1,917メートルの早池峰山で、蛇紋岩地帯特有の高山植物が見られることでも知られています。全体としてなだらかな斜面が多いため、古くから馬の産地として知られ、現在でも酪農や肉用牛の飼育といった大規模な畜産業が展開されています。
コラム
地質学的な観点では、北上高地の東端が海に沈み込むことで、三陸海岸南部のリアス海岸が形成されました。複雑な入り江と険しい断崖が続くこの海岸線は、北上高地の沈降の歴史を物語っています。
また、北上高地はかつて日本有数の金銀の産地でもありました。奥州藤原氏が築いた平泉の中尊寺金色堂に使われた金も、この地から産出されたものと言い伝えられています。このように、北上高地は自然地理的側面だけでなく、歴史文化的な側面でも東北地方において重要な役割を果たしてきました。