- リアス海岸
- 起伏の激しい山地が沈水し、複雑に入り組んだ海岸線となった地形
- 河川の浸食によるV字谷が地盤の沈降や海面上昇で海に沈んで形成される
- 波が穏やかな深い入り江は天然の良港となり、真珠やカキなどの養殖業が発達している
- 湾口から奥に向かって幅が狭まる地形で、津波襲来時に波高が急上昇する危険性がある
解説
リアス海岸は、山地が海に沈む「沈水」によって生まれます。もともと河川が削ったV字型の深い谷が海面下に沈むことで、ノコギリの刃のように複雑に入り組んだ海岸線が作られます。この地形は水深が深く、外海の荒波が入り込みにくいため、古くから漁港や避難港として利用されてきました。
日本では岩手県の三陸海岸南部や三重県の志摩半島が代表例です。志摩半島では真珠の養殖、三陸海岸ではカキやワカメの養殖が盛んに行われています。しかし、防災面では特有の課題があります。地震による津波が発生した際、入り江の奥へ進むほど波のエネルギーが集中し、津波が巨大化して甚大な被害をもたらすことがあります。東日本大震災でも、この地形的要因が被害を拡大させる一因となりました。
| 比較項目 |
リアス海岸 |
フィヨルド |
| 形成の要因 |
河川による浸食(V字谷) |
氷河による浸食(U字谷) |
| 谷の断面 |
V字型 |
U字型(底が深く壁が急) |
| 主な分布地 |
日本(三陸・志摩)、スペイン |
ノルウェー、ニュージーランド |
コラム
三陸海岸は、宮古市付近を境に北部と南部で地形が大きく異なります。北部は地面が隆起してできた「海岸段丘」が発達し、平坦な台地が広がっています。一方、南部は典型的なリアス海岸です。このように一つの地域で異なる海岸地形が見られるのは世界的にも珍しい特徴です。また、かつては「リアス式海岸」と呼ばれていましたが、現在は「リアス海岸」という呼称が一般的になっています。これは、スペイン北西部のガリシア地方にある「リア(入り江)」の集まりを指す言葉に由来しています。