世界ジオパークとは、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)が認定する、国際的に価値のある地質遺産を保護し、教育や持続可能な地域開発に活用する自然公園のことです。地球科学的な重要性を持つだけでなく、その土地の生態系や文化とのつながりを重視し、地域社会が主体となって運営されるのが特徴です。
解説
世界ジオパークに認定されるためには、「保護」「教育」「持続可能な開発(ジオツーリズム)」の3つの要素が不可欠です。単に貴重な地質を保存するだけでなく、それを観光資源として活用し、地域の経済を活性化させることが求められます。2015年からはユネスコの正式な事業となり、その価値は世界遺産と同様に国際的に高く評価されています。
日本は4つのプレート(北米プレート、太平洋プレート、フィリピン海プレート、ユーラシアプレート)がひしめき合う変動帯に位置しており、世界的に見ても地質学的な見どころが豊富です。例えば、新潟県の糸魚川では日本列島を東西に分ける巨大な溝「フォッサマグナ」を観察でき、静岡県の伊豆半島ではフィリピン海プレートの移動によって本州に衝突した火山の歴史をたどることができます。これらは、地球のダイナミックな動きを直接肌で感じられる貴重なフィールドとなっています。
コラム
世界遺産との大きな違いは、その「活用」の姿勢にあります。世界遺産が現状維持と厳格な保護を主目的とするのに対し、ジオパークは地質遺産を教育や観光に積極的に利用し、地域住民の生活向上につなげることを重視します。そのため、4年に一度の再認定審査があり、活動が不十分と判断されると認定が取り消される(イエローカードやレッドカード)という厳しい仕組みも存在します。
また、近年では火山噴火や地震などの自然災害に対する「ハザードマップ」の整備や防災教育の拠点としても期待されています。大地の恵みと脅威の両面を正しく理解し、共生していく知恵を学ぶ場として、ジオパークの役割はますます重要になっています。