- 船を用いて、大量の貨物や旅客を長距離にわたって運ぶ輸送形態のことです。
- 航空機や自動車に比べて速度は劣りますが、一度に運べる重量が極めて大きく、輸送コストを低く抑えられる利点があります。
- 二酸化炭素の排出量が少ないため、環境負荷を軽減する「モーダルシフト」の重要な手段として位置づけられています。
解説
船舶輸送は、現代の国際貿易を支える物流の根幹です。特に日本のような資源の乏しい島国においては、石油、天然ガス、鉄鉱石といった重量のある原材料を海外から安定的に輸入するために、大型タンカーやコンテナ船による輸送が欠かせません。これらは「外航海運」と呼ばれ、世界の経済活動を連結する役割を果たしています。
国内における輸送(内航海運)でも、船舶輸送の重要性は高まっています。近年、物流業界ではトラック運転手不足や環境問題が深刻化しており、長距離輸送をトラックから船や鉄道へ切り替える動きが加速しています。また、港湾の形態も工夫されており、茨城県の鹿島港のように、砂浜を人工的に掘り下げて作られた「掘込式港湾」は、大規模な臨海工業地帯と直結し、効率的な物流ネットワークを形成しています。
コラム
輸送手段の選択は、荷物の価値や緊急度によって決まります。例えば、半導体や生鮮食品などの「高付加価値・短納期」が求められる荷物は航空輸送が適していますが、石炭やセメント、原油といった「低単価・大量・重量物」の輸送には船舶輸送が圧倒的に有利です。
また、船舶輸送には「フェリー輸送」も含まれます。これはトラックやトレーラーをそのまま船に乗せて運ぶ方法で、運転手の休憩時間を確保しつつ長距離を移動できるため、働き方改革の観点からも注目されています。一方で、気象条件(台風や高潮など)の影響を受けやすく、到着時間が前後する場合があるという弱点も持ち合わせています。