まとめ
- 正立(せいりつ)
- 光学において、鏡やレンズによってできる像の向きが、もとの物体と同じ上下の向きで現れる状態
解説
正立とは、観察対象となる物体と同じ向きに現れる像の性質を指します。最も身近な例は平面鏡(鏡)に映る自分の姿であり、頭が上、足が下という位置関係が維持されています。凸レンズを用いた実験においては、物体を焦点よりもレンズに近い位置に置いた際に、レンズ越しに大きく正立した像を観察することができます。このとき、光は実際に一点に集まっているわけではなく、目に届く光を逆方向に延長した位置に像があるように見えるため、これを「正立虚像」と呼びます。
凸レンズにおける像の性質は、物体を置く位置(焦点距離との関係)によって以下のように分類されます。正立の像が得られるのは、物体が焦点の内側にある場合に限られます。一方、焦点の外側に物体を置くと、上下左右が逆転した「倒立実像」が形成されます。
| 物体の位置 | 像の向き | 像の種類 | 像の大きさ |
|---|---|---|---|
| 焦点距離の2倍より遠い | 倒立 | 実像 | 縮小 |
| 焦点距離の2倍の位置 | 倒立 | 実像 | 等倍 |
| 焦点と2倍の間 | 倒立 | 実像 | 拡大 |
| 焦点の位置 | (像はできない) | – | – |
| 焦点より内側 | 正立 | 虚像 | 拡大 |
凸レンズの計算では、焦点距離をf、物体から焦点までの距離をx、焦点から像までの距離をx’とすると「x・x’ = fの2乗」という関係が成り立ちます。例えば、焦点距離10cmのレンズで物体をレンズから18cm(焦点から8cm外側)に置いた場合、8:10=10:dという比の計算から、d=12.5cmとなり、焦点から12.5cmの位置に倒立実像ができることがわかります。このように、物体が焦点の外側か内側かによって、像が正立するか倒立するかが決まります。
鏡を見たとき、自分の顔がそのままの向きで映っていますよね。このように、もとの物と同じ向きに見えることを「正立(せいりつ)」といいます。
虫めがね(凸レンズ)を使って物を見るときも、レンズを物に近づけると、大きく同じ向きに見えます。これも正立です。でも、レンズを遠ざけていくと、急に景色が逆さまに見えることがあります。これは「倒立」といって、正立とは反対の状態です。
理科の実験では、レンズと物の間の距離によって、向きがどう変わるかを調べることがとても大切です。同じ向きに見えているときは、光が実際に集まっているのではなく、目が「そこにある」とかんちがいして見えている「虚像」という像になっています。
スプーンの表側(へこんでいる方)に顔を映すと、逆さまに見えますが、裏側(ふくらんでいる方)に映すと、ちゃんと正しい向き(正立)で映ります。光の反射のしかたで、見え方が変わるのはおもしろいですね!
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